その人の成功を決めるのは、「才能」でも「知能指数」でもない、それは、「困難があっても、続ける力」「情熱をもって取り組む粘り強さ」だ、と提唱している本があります。
本日紹介するのは、東京大学理学部、法学部を卒業後、理学博士となり、理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て脳科学、認知科学を専門に活動する茂木健一郎さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
茂木健一郎『続ける脳 最新科学でわかった!必ず結果を出す方法』(SB新書)
この本は、アメリカの心理学者であるアンジェラ・ダックワースが研究した「グリットは成功にもっとも関係の強い要素だ、情熱を持って何かを継続する力があるかどうかに左右される」ことを説明している書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.結局、続ける人だけが結果を出す
2.続ける脳の作り方ー意志に頼らない脳活用法
3.脳がよろこぶ夢の見つけ方ー多様性とセレンディピティ
4.「今・ここ」に集中する力ーフローとは何か
5.立ち直る力ー心が折れたらどうするか
6.子どもの継続力を伸ばすーグリット的育て方
この本の冒頭で著者は、心理学では人間の性格は次の5つの要素(「ビッグ・ファイブ」と呼ばれる)に分類できると紹介しています。
◆ 神経的傾向(どれくらい物事を不安に感じやすいか)
◆ 経験への開放性(どれきらい物事に興味を持ちやすいか)
◆ 外向性(どれくらい他者に積極的か)
◆ 協調性(どれくらい他者に共感しやすいか)
◆ 誠実性(どれくらい物事に誠実に取り組むか)
この中で、5の「誠実性」は、「物事を実現できるように計画性を持って進められる」「目的のために自分を律することができる」「従順である」という人間の性格を指すものなので、「課題に情熱を持って継続的に取り組むことができる」というグリットに近いもの、と著者は説明しています。
また、本書では、「脳科学的に見ても、グリットは後天的に高められる」と言います。しかも、何歳からでも鍛えられるそうです。
そして、グリットには、以下のような特徴があると著者は説明しています。
◆ 完璧主義を捨て、ベスト・エフォートという考え方でいい加減に続ける
◆ 今の「無駄」がのちの大きな結果につながるなど、多様性を作り出す
◆ 夢は育てることが必要
◆ グリットの原点には感情がある
◆ 過去の事実は変えられないが、過去の「意味」は変えられる
◆ やると決めていたら、失敗しても揺るがない
◆ 何かができない人は、何かができる
◆ 条件が整わないと幸せになれない、というのは「フォーカシング・イリュージョン」である
◆ 最終的な目標が大きくても、目の前の課題を、少しだけ挑戦的に定めて、フローに入りやすくなり、「成功体験」を得られる
◆ 仕事にかける時間を自分で決め、「タイムプレッシャー」をかける
◆ 持続可能なグリットは多様性の中にこそある
◆ 「今ここにある、すべてのもにに、一切の判断を挟まずに目を向ける」というマインドフルネスの姿勢
◆ 決めつけない人は幸福になれる
◆ 成功体験を蓄えて、グリット・サイクルを回す
◆ 本質を見抜く力(サンプルをたくさん見る、体を動かして実際にやってみる)をつける
この本の後半では、「挫折との付き合い方」として、対処するための7つのポイントを、次の通り挙げています。
1.人間関係は「弱いつながり」を大切に
2.期待しない
3.基準を知る
4.エラー信号を見落とさない
5.失敗はチャンス
6.感情と論理を切り離す
最後に著者は、「最初からグリットがある人だけが成功するわけではありません。(中略)やりたいことがあるからこそ、グリットが必要になる。」と結論を述べています。
あなたも本書を読んで、「やりたいこと」を見つめ直し、グリットの大切さを学んでみませんか。
速読法・多読法が身につくレポート 『年間300冊読むビジネス力アップ読書法「17の秘訣」』 を無料で差し上げます。ご請求はこちらをクリックしてください!
https://jun-ohsugi.com/muryou-report
では、今日もハッピーな1日を