「人生の楽しみは70歳からの下り坂にあり」と提唱し、リタイア後を豊かに生きるヒントを記した本があります。
本日紹介するのは、ドイツ文学者でエッセイストの池内紀さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
池内紀『すごいトシヨリBOOK トシをとると楽しみがふえる』(毎日新聞出版)
この本は、著者の池内さんが70歳になったときに、市販の手帳を買ってきて、最初のページに「すごいトシヨリBOOK」と書いて、日々、気がづいたことを記録するための「自分の観察手帳」を作ったのがもとになって生まれました。
本書は以下の10部構成から成っています。
1.老いに向き合う
2.老いの特性
3.老化早見表
4.老いとお金
5.老いと病
6.自立のすすめ
7.老いの楽しみ
8.日常生活を再生する
9.老いの旅
10.老いと病と死
この本の冒頭で著者は、昔は人生五十年と言われていたが、平均寿命が延びて、九十、百歳の人がざらにいるわけですから、行き帰りで百年、行きの上り坂を上がっていくのは五十年くらいだと述べています。
そして、リタイア後の長い人生をどう生きるか、この下り坂の楽しみは、自分の老いと向き合うことから始まります、と著者は言います。
また本書では、「老いの問題については、老いていく自分が一番詳しい。素材が自分でしょう、教材が目の前にある。(中略)誰もが自分のスペシャリストになれるのです。」と提唱しています。
さらにこの本では、老化早見表や、老いと病、お金、旅など、多くの人が老いとともに関心を持つ、様々なテーマで、著者の体験をベースにしながら、どのような考え方をして過ごせばよいかが、率直に記されていて参考になります。
とくに私が感銘を受けたのは、以下のような考え方やフレーズです。
◆ 自分の「お金を使わないで暮らす術」(=OTKJ)を工夫する
◆ 血液検査以外は、病院で検査を受けない
◆ どんな医者よりも、その教材を持っている当人が一番よく、自分の体を知っている
◆ 自分の居酒屋、自分のそば屋など、半年に1回か1年に1回は贔屓の店に行こう
◆ 年を取ったら赤いものを、なるだけ赤い明るいものを着ましょう
◆ 老後の日常は、4何ぐらいを単位に、何かを始めてみる
◆ いっぺんに眠ろうとしないで、朝、昼、夕方など、分けて眠るのもよい
また、本書の後半では、旅について書かれていて、人生下り坂の旅では、次の6つの工夫が大切だと提唱しています。
1.1日増やそう
2.他人任せにしない
3.ストックを用意しよう
4.欲張らない
5.お土産は買わない
6.記録を作る
そして最後に、病について、介護施設をやっている先生の講演で聞いた、次の言葉を紹介していて印象的です。
「老いとは寄り添え」
「病とは連れ添え」
「医者は限定利用」
まさに著者の池内さんの経験からくる生き方に合致した考え方のようです。
あなたも本書を読んで、「人生の楽しみは70歳からの下り坂にあり」とするドイツ文学者の楽しく老いる極意を学んでみませんか。
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