「東京に変化が起こっている。それは、住む場所に対する人の考え方が変わってきているからだ。」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、コンピュータ誌の編集を経て、フリーランスのライターとして活躍する速水健朗さんが書いた、こちらの新書です。
速水健朗『東京どこに住む? 住所格差と人生格差』(朝日新書)
この本は、東京に変化が起こっている理由を分析し、東京「内」一極集中をレポートした書です。
それは、住む場所に対する人の考え方が変わってきているからで、家賃が高くても都心に住む人々は、どのようなメリットを見出しているのかを分析しています。
かつての人気の街がなぜ衰退しているのか、どこに住むかの重要性がかつてなく高まっている時代の、「都市暮らしの最新ルール」をこの本では探っていきます。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.東京の住むところは西側郊外から中心部へ
2.食と住が近接している
3.東京住民のそれぞれの引っ越し理由
4.なぜ東京一極集中は進むのか
5.人はなぜ都市に住むのか
まず冒頭で著者は、東京の「住民意識」は東と西で分断されている、と説いています。
西側に住む人々は、東を「労働者の街」でスカイツリーにも興味はない、という意識が代表的。対して、東に住む人々は、「中央線が何か苦手」という意識が広がっています。
中央線は、「ゆるさ」が特徴で、酔っ払いも多く、「働かなくても許される雰囲気が嫌い」という女性が多い。例えば「40代の金髪ロッカー」などという存在は、高円寺辺りでしか見ることができない、と言います。
次に本書で指摘しているのは、人口の東京集中と言われているが、実態は千代田・中央・港の都心3区への集中だ、という事実です。
千代田区が+5.1%、中央区が+3.9%、港区が+2.4%で、あとは23区内でも+1%台でほぼ横ばい、人口減少に転じている区もあります。
また、住んでみたい街に、麻布十番が入ってくるなど、都心部への集中、食と住の近接が最近の顕著な特徴です。第1位の恵比寿もそうですし、成長駅商圏の人口増加数ランキングで以下の順位はいずれも都心東側という特徴があります。
1.月島
2.人形町
3.八丁堀
4.葛西
5.茅場町
また、本書の後半に記載されている、引っ越し理由の分析や、そもそも「人はなぜ都市に住むのか」という部分は非常に興味深い内容になっています。
ここで詳細は紹介しませんが、興味のある方はぜひ、本書をお読みください。
元マッキンゼー日本支社長で経営コンサルタント、BBT大学院大学学長の大前研一さんは、自ら編集した書籍『時間とムダの科学』(プレジデント社)において、「人が変わるには3つの方法しかない」と述べていていて、以下の3つを挙げています。
1.住む場所を変える
2.付き合う人を変える
3.時間配分を変える
それほど、「住む場所」というのは、その人の行動や人生を大きく変える影響を持つということです。
あなたも、人生に大きな影響を与える「住む場所」について考察した本書を読んで、今後の生き方を改めて考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を