ドキュメンタリー『定年前起業への道~57歳からの挑戦!』の第30回は、「40代・50代の転職で大切なこと(その3)」です。
≪ 経歴の一貫性は「偶然」からできる!≫
前回までに述べてきた「転職」のポイントについて、もう一度整理します。まず、35歳という年齢を境にして、「転職先」の会社から求められる要件(=条件)が変わり、以下のようになります。
1.35歳までは組織への適応力・潜在力
⇒ 「コミュニケーション能力」を中心に忍耐力、協調性、健康、明朗さ
2.35歳超から40代・50代では募集職務とのマッチング・即戦力
⇒ 「経験してきた職務経歴の一貫性」が求めるポジションの職務を満たせるか
以上のように、「転職」の成否は35歳を境に、大きく変わってきます。それでは、40代・50代になってからの「経歴の一貫性」はどのように作っていけばよいのでしょうか?
私にとって、その答えはハーバード大学教授のクランボルツさんが書いた、こちらの本です。
この本は、「夢や目標を明確に持てなくても、偶然の出会いや今与えられていることを大切にすれば道は開けて理想的なキャリアを開発できる」という考え方です。
クランボルツさんは、心理学者になることを目指して邁進してきたわけではなく、ただ偶然目の前に現れてきたことに好奇心を持って取り組んできた結果、自分でも予期していなかったキャリアを手に入れた、ということです。
もちろん目標や計画を持つことは大切ですし、モチベーションは上がります。しかしながら、必ずしも目標通り、計画通りに進まなくても悲観する必要はありません。
「偶然の出来事に対して、最善を尽くすことが幸運を呼び込む鉄則」であることを、クランボルツさんの著書は、数多くのキャリア実例によって、あなたに教えてくれます。
この本の書評は、2014年8月4日付ブログに掲載しています。興味のある方はぜひ、こちらのリンクからどうぞ!
また、クランボルツ教授と同じような考え方で、「成功はランダムに来る」と提唱する本もあります。フランス・ヨハンソンさんの、こちらの書です。
こちらの書評は、2014年10月19日付ブログに載せましたので、以下のリンクからお読みいただけます。
つまり、どちらの書も、成功につながるキャリア(=職歴の一貫性)は、最初から意図して手に入れることは難しく、「偶然の出会い」や「チャンス、出来事」をいかに掴めるかに左右される、ということです。
その上で、「転職先」として応募する会社については、自分自身の辿ってきたキャリア、経験から来る「強み」、「特質」をきちんと把握し、整理して選択することが、「マッチング」のコツです。
≪ それでも強い「普遍的な能力」とは? ≫
「経歴の一貫性」がその都度、目の前に現れた仕事や課題に好奇心を持って全力で取り組むことで得られるにしても、それでもやはり、どこでも通用するための「普遍的な能力」はある、と言われています。
前回は、大前研一さんの提唱する「ビジネスパーソン三種の神器」である①英語力、②ITリテラシー、③ファイナンス知識を挙げましたが、もうひとつ私が大きく影響を受けた本があります。
「世界最高のリーダー養成機関」と言われる米GEの「リーダーシップ研修」の実態を紹介した、こちらの書です。
この本では、リーダーシップを養成するために必要な様々な能力が紹介されています。詳しくは、2015年2月7日付ブログに掲載した書評をお読みください。こちらのリンクです。
40代・50代の「転職」は難しい、と一般的に言われていますが、最後は「人間力」であると私は考えています。
GEのリーダーシップ研修で教えているのも、究極的には、前CEOのジャック・ウェルチさんが唱えている「Self-Awareness」、つまり、「自分自身をいかに知っているか」(=自分棚卸)なのです。
日々の習慣が、人生を作り、自分自身を知ることに繋がる、と私は考えています。
2015年11月1日の「定年前起業」まで、あと137日です。皆さんの温かい励ましや応援をどうかよろしくお願いいたします。