「長い定年後を充実させるには、やりたいことを見極めて行動に移す準備が必要だ。」と説いている本があります。
本日紹介するのは、大手生命保険会社に勤務するのと並行して執筆活動を行い、定年退職後は「働く意味」をテーマに取材、執筆、講演活動を続け、現在は神戸松蔭女子学院大学教授の楠木新さんが書いた、こちらの新刊新書です。
楠木新『定年準備 人生後半戦の助走と実践』(中公新書)
この本は、シニア社員や定年退職者への取材を重ねる中で、著者が新たに見聞した、個別的で多彩な実例を一挙公開して、自分らしい第二の人生を踏み出す上で役立つ具体的なヒントを明かしている書です。
前作の『定年後 50歳からの生き方、終わり方』(中公新書)が、大きな反響を呼び、この本はその「実践編」という位置づけです。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.人生は二度ある?
2.「もう一人の自分」を発見
3.60歳からのハローワーク
4.最後に戻るのは地域と家族
5.童心に返る
6.魅力的な先達に学ぶ
7.逆境がチャンスに
この本の冒頭で著者は、「自分が人生を歩むのに避けられないもの」について、以下の2つではないかと述べています。
◆ 人は一人では生きていけない
◆ 人は必ず歳を取り、必ず死ぬ
また、著者の楠木さんが数多くの取材から得たものとして、以下のような知見を紹介しています。
◆ 「定年後」は50歳から始まる
◆ 会社員は40代半ばから揺れ始める(心の定年)
◆ 60歳から75歳までが黄金の15年
◆ 女性の「定年後」は成長分野
◆ じゃんけんを続けることが大切
◆ 複数の自分を持つ(もう一人の自分)
◆ 芸名で活動してみる
◆ 子どもの頃の自分と今の自分がつながると、「いい顔」になる
◆ SNSを使いこなせるかどうかは、人とのつながりの点では非常に大きい
◆ 魅力のある人に、自分を重ね合わせる
この本では、様々な定年退職者や定年前に転身して、「好きなこと」を仕事にして輝いている人たちの人生を丹念に取材し、その実例がリアルに描かれていて参考になります。
そうした様々な生き方をする人たちと自分を「重ね合わせて」、その一部を取り入れるように学ぶことで、自らの人生にヒントをもらえます。
また本書は、2018年4月7日に刊行した私、大杉潤の新刊書籍『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)と共通する問題意識で書かれていて、感銘を受けました。
この本の最後には、「定年準備のための行動六か条」が記されていて、「定年準備」の指針になります。
1.焦らずに急ぐ
2.趣味の範囲にとどめない
3.身銭を切る
4.個人事業主と接触する
5.相手のニーズに合わせる
6.自分を持っていく場所を探す
あなたも本書を読んで、様々な角度から「定年準備」を考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を