「理想のスピーチは、聴き手が思わずついていきたくなるスピーチです。『論理的で、心に響き、信頼でき、想いが伝わる』と聴き手が感じるものです。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、ソニー歴代トップのスピーチライターを務め、経営コンサルタントとして独立し、延べ1万人以上のビジネスリーダーを指導してきた、株式会社ロジック アンド エモーション代表取締役で、CEOスピーチコンサルタント、エグゼクティブコーチの佐々木繁範さんが書いた、こちらの書籍です。
佐々木繁範『ソニー歴代トップのスピーチライターが教える 人を動かすスピーチのスピーチの法則』(日経BP社)
この本は、「日経トップリーダー」プラチナ会員の月刊会報誌、「マンスリー」の巻頭コラムとして、2012年4月から2017年9月までの間に掲載した記事を、大幅に加筆修正してできた書です。
本書は「スピーチ上達の12ヵ条」および序章として、以下の13部構成から成っています。
1.人を動かすスピーチの秘訣
2.メッセージを明確にする
3.主張には理由を添える
4.構造をシンプルにする
5.ストーリーを織り込む
6.心情と情景をありありと語る
7.自己開示する
8.相手に共感する
9.相手のために尽くす
10.本心を語る
11.言ったことは実行する
12.身体のメッセージを意識する
13.心をポジティブな感情で満たす
この本の冒頭で著者は、「スピーチ上達の12ヵ条」の主な項目は、「論理」「感情」「信頼」という大きな3つの項目でくくることができる、と述べています。
これは、古代ギリシャ時代から、スピーチの説得力の源泉と言われてきた3つの要素です。すなわち、「ロゴス」「パトス」「エートス」で、それぞれ「論理」「感情」「信頼」を意味します。
「ロゴス」は、論理を意味していて、物事を分かりやすく、筋道を立てて話すこと。
「パトス」は、感情ですが、情動はしばしば理性を凌駕します。聴衆の感情に訴え、心を揺さぶるのです。
「エートス」は人格を意味します。聴き手は、話をどこまで信じていいか、話し手の品格から判断するのです。
とくに「エートス」を強調したいと著者は述べていて、話す内容についての深い知識と経験があること、誠実な信頼される人柄を持つことが大切なのです。
次にもう一つ、説得力の3要素とは違った切り口から、オープンで協力的な「場」をつくることの大切さを、この本では説明しています。
著者が意識している「場」をつくるための「3つのキーワード」は以下の通り。
◆ 共感
◆ 非言語
◆ 自己開示
心をオープンにしてもらうこと、身体でメッセージを伝えること、そして自分自身の気持ちや経験を心をオープンにして相手に伝えることが、「場」をつくることになるそうです。
その他にも本書では、人を動かすスピーチのポイントが数多く示されています。私がとくに共感したポイントを以下に挙げておきます。
◆ 伝えたいことをたった1つに絞り込み、明確にする
◆ 動機と目的、2つの「なぜ」をスピーチに盛り込む
◆ オープニング、ボディー、クロージングの3部構成で
◆ スピーチの終わりに、1番伝えたいことを徴収の記憶に残す
◆ 問題点を挙げ、解決策を示すと人は動く
◆ 「覚悟」「情熱」「信念」が人を動かす
◆ 心に残るストーリーは、思わず人に話したくなる
◆ リアルな映像が浮かぶくらいに、ビジョンを表現する
◆ 失敗談は、聴き手に挑戦する勇気を与える
◆ 「こんな未来を実現したい!」という熱い想いが人を動かす
◆ 困難や壁を、いかに乗り越えたかに価値がある
◆「場の要請」と「聴衆の期待」を理解する
◆ 心はしばしば、思考を打ち負かす
◆ 心を奮い立たせるペップトーク(①状況を受け入れ、②ポジティブにとらえ、③してほしいことを伝え、④背中を押す)
◆ 相手の価値観を知る
◆ 大切なのは、本音を語ること
◆ 気持ちは必ず、声や身体に現れる
◆ 伝わった想いには、応えたくなる
◆ 聴き手を3分割し、均等に視線を注ぐ
◆ スピーチは事前に考え抜くことが大事
あなたも本書を読んで、「人を動かすスピーチの法則」を学び、実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!