「そんなに急がなくてもいいじゃない、30代、40代からゆっくりと、しかし着実に準備して、シニア世代になったら、確実に経済的自立を達成しましょう!」と述べている本があります。
本日紹介するのは、銀行員、経営コンサルタントを経て、現在は資産運用会社役員として、経営企画及び金融商品や不動産の選定等を行っている藤野屋新之助さんが書いた、こちらの書籍です。
藤野屋新之助『スローFIREのススメ: 経営コンサルタント&資産運用のプロが綿密なシミュレーションから導き出した人生の最適解は「スローFIRE」だった!』(Kindle出版)
この本は、30代、40代から着実に準備を勧め、シニア世代では確実に経済的自立を達成する人生戦略、すなわち「スローFIRE」を実践するための書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.そもそもFIREとは
2.FIREをシミュレーションしてみた
3.1億円貯めた後はどうなるのか
4.本当に欲しいのは「選択権」じゃないですか?
5.スローFIREで最強の人生戦略を「4階建てで備えよう!」
この本の冒頭で著者は、「FIREの実現可能性」や「それを目指す意味や効用」を「FIREを実現していないおじさんの視点」から、しっかり検証してみよう、と述べています。
本書の前半では、「そもそもFIREとは」について、以下のポイントを説明しています。
◆ FIREの出発点は、米国トリニティ大学の研究論文
◆ フルFIRE: 早期に引退して資産運用でのみ生きていく
◆ サイドFIRE: 生活費の半分は資産運用、残り半分は副業やスモールビジネス
◆ バリスタFIRE: 生活費の半分は資産運用、残り半分はアルバイト収入
◆ リーンFIRE: 生活費を通常の半分に節約して資産運用の収益だけで賄う
この本の中盤では、「FIREをシミュレーションしてみた」および「1億円貯めた後はどうなるのか」について考察しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 4%の運用利回りで、1億円にするには、10年で月679千円
◆ 15年で月406千円、20年で月273千円、30年で月144千円
◆ 4%の運用利回りで、5,000万円にするには、10年で月340千円
◆ 15年で月203千円、20年で月136千円、30年で月72千円
◆ 案外身近にあったテンバーガー
◆ 1億円の金融資産を貯めても年間配当収入4百万円では「セレブな生活」は無理
◆ 4百万円の配当収入の手取りは3.1百万円~3.2百万円(月27万円程度)
◆ FIRE達成後でも、運用環境の変化、税制の変化がある
◆ 早期リタイアの年金は会社員の年金と比べて格段に少ない
◆ 公的年金は民間の年金保険より安定していて破綻することはない
本書の後半では、「本当に欲しいのは選択権じゃないですか?」および「スローFIREで最強の人生戦略を4階建てで備えよう!」について解説しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 労働は罰ではない
◆「仕事を通して成長する」という考え方
◆ 年齢によってステージが変わる
◆ 本当に欲しいのは、いつでも転職やリタイアができる「選択権」
◆ スローFIREで最強の人生戦略を
◆ 4階建ての収入:①できるだけ長く働く、②公的年金、③自分年金、④副業・スモールビジネス
◆ 時間軸を延ばし、長い時間をかけて「FIRE的戦略」を
◆ いつまで生きても財産が減らない状態を築く
◆ 収入 ≥ 消費+投資(要は、お金の収支)
本署で提唱している「スローFIRE」という人生戦略は、私が拙著『定年ひとり起業シリーズ』3部作で逓減している「トリプルキャリア」で生涯現役、そのための「定年ひとり起業」という働き方、ライフスタイルと共通するコンセプトで、強く共感しました。
この本の巻末には、「巻末計算過程」が掲載されていて参考になります。本文では、結論だけをシンプルに表示し、その計算根拠を細かく、丁寧に記載している著者の真摯な姿勢には好感が持てて、信頼性があります。
あなたも本書を読んで、今後の日本を生き抜くための「最適解」になる「スローFIRE」という戦略を学び、実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3165日目】