「次の機会はもう来ないかもしれない」――人生の終盤で人が口にする “後悔の言葉” には、生き切るためのヒントが詰まっています。
本日紹介するのは、1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒業後、東大病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、現在は精神科医、国際医療福祉大学教授、ヒデキ・ワダ・インスティテュート代表などを務め、数多くの高齢患者と向き合ってきた第一人者である和田秀樹さんが書いた、こちらの書籍です。
和田秀樹『医師しか知らない 死の直前の後悔』(小学館新書)
この本は、6000人の高齢者患者に向き合ってきた著者が、高齢患者が死の直前に語る “後悔の言葉” を丹念に拾い上げ、生き方を変えるための思考と行動の指南としてまとめた一冊です。誰もが避けて通れないテーマでありながら、極めて実用的かつ人生を前向きにしてくれる内容です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.「やらなかった後悔」はずっと心に残る ― 経験・挑戦に関する後悔
2.本音を伝える勇気があれば ― 人間関係をめぐる後悔
3.もっと自分の体と心の声を聞けばよかった ― 健康や医療の後悔
4.不安や心配ばかりで人生を楽しめなかった ― お金の後悔
5.もっと自分の人生を楽しめばよかった ― 人生全体の後悔
本書の前半では、「やらなかった後悔」がどれほど人生に深く残るかが語られます。挑戦・経験を先送りにすることのリスクがまざまざと伝わる内容です。主なポイントは以下の通りです。
◆ 行動しなかった後悔は、死の間際に最も強く残る
◆ 自分の人生を決めるのは “他人の目” ではない
◆ チャンスは何度も来ないと理解すると行動力が変わる
◆ 先延ばしは「人生の質」を確実に下げる
◆ 「今が人生でいちばん若い」という真実が心に響く
この本の中盤では、本音を伝えられなかったこと、仲たがいを放置したことなど、人間関係にまつわる深い後悔が取り上げられます。言葉にしないまま時間が過ぎることの重さが描かれます。主なポイントは次の通り。
◆ 言わなかった本音は、生涯の“しこり”になる
◆ 仲直りの機会は時間とともに失われる
◆ 「迷惑をかけたくない」は家族関係を弱める
◆ 他人の評価に怯えると、人生は縮こまる
◆ つながりを大切にする人ほど、晩年の幸福度が高い
本書の後半では、健康・お金・人生全体の後悔が語られ、いまから変えるための具体的な行動指針が示されます。主なポイントを以下の通りです。
◆ 体の声を聞かず無理を続ける人ほど、後悔は深い
◆ お金を使わず我慢ばかりの人生は、最期に虚しさが残る
◆ 家族と旅行に行かなかった後悔は多くの人に共通する
◆ 心配や不安に支配されると、人生を楽しめない
◆ “人生は思い出の総量で決まる”という視点が大切
死にゆく人の言葉は、決してネガティブではなく、「どう生きるか」の道標になります。「次はできないかもしれない」「やるなら今しかない」
著者がが香川県・金刀比羅宮の長い階段を上ったエピソードが象徴するように、人生の時間は有限であり、今日がいちばん若い日です。後悔を減らし、挑戦とつながりを増やすために。いまの自分の生き方を見直すきっかけとなる良書で、お薦めです。
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では、今日もハッピーな1日を!【3936日目】








