「マイクロ法人は、国家を利用して富を生み出す道具である。」「会社を理解するもっとも効果的な方法は、自分で会社をつくってみることだ。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1959年生まれ、2002年国際金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビューし、数々の著書でベストセラーを連発している作家の橘玲さんが書いた、こちらの書籍です。
橘玲『新・貧乏はお金持ち「雇われない生き方」で格差社会を逆転する』(プレジデント社)
この本は、マイクロ法人をキーワードに、会計・税務・ファイナンスの基礎知識をわかりやすく説明し、そこからどのような利益が生じるのかを具体的に示している書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.楽園を追われて─フリーエージェントとマイクロ法人の未来
2.もうひとつの人格─マイクロ法人という奇妙な生き物
3.スター・ウォーズ物語─自由に生きるための会計
4.楽園を追われて─マイクロ法人と税金
5.生き残るためのキャッシュフロー管理─マイクロ法人のファイナンス
この本の冒頭で著者は、「労働基準法で守られ、雇用契約でがんじがらめに縛られたサラリーマンに比べて、複数の人格を使い分けられるフリーエージェントがけっして不利な選択ではないことがわかるだろう。」と述べています。
本書の前半では、「この国にはなぜ希望がないのか?」および「フリーエージェント化する世界」について以下のポイントを紹介しています。
◆ 奇妙な映画館と富士通「成果主義」の不条理
◆ 格差社会の戦犯と最も得をした公務員・大企業従業員・年金生活者
◆ 30年前に日本企業躍進で楽園を追われたアメリカの「オーガニゼーション・マン」
◆ アメリカのフリーエージェントは3300万人(フリーランス1650万人、マイクロ法人1300万人、臨時社員350万人)
◆ 日本のフリーエージェントは米国1/10の370万人(フリーランス40万人、マイクロ法人30万人、臨時社員300万人)、臨時社員が人口3倍の米国とほぼ同じ人数で高い割合
この本の中盤では、「ふたつの運命」「ひとともの」「株式会社という人格」「マイクロ法人をつくる」「資本主義とデス・スター」および「自由に生きるための会計」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 人的資本とは、労働市場で評価される「稼ぐ力」
◆ 会社(法人)は人でもあり、モノでもある
◆ マイクロ法人を保有すると、個人と法人という2つの人格を使い分けることができる
◆ 自由に生きるための会計で、法人と家計を連結決算し、ビンボーを富に変える
◆ 法人と個人のPLおよびバランスシートを連結する
本書の後半では、「マスオさん、人生最大の決断」「節税と脱税のあいまいな境界」「フラワーチルドレンのファイナンス革命」「キャッシュフロー計算書で資金繰りを理解する」および「奇跡のファイナンス」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 厚生年金保険料の半分は国に没収されている
◆ マイクロ法人で社会保険料を最小化する方法がある
◆ 節税と脱税のあいまいな境界(グレーゾーン)
◆ 税務調査に対する更正処分、不服審査、裁判での争いは、税務調査官にとって悪夢
◆ マイクロ法人に対する税務調査は割に合わないケースが大半
◆ キャッシュフロー計算書で資金繰りを理解する
◆ マイクロ法人と個人のキャッシュフローを連結する
◆ 中小企業の二極化、ミドルリスク・ミドルリターン市場はないのが新銀行東京の蹉跌
この本の締めくくりとして著者は、「国家に依存するな、国家を道具として使え。」「マイクロ法人という新しいコンセプトを紹介したい」「だが、ひとつだけ、この方法では意のままにならないことがある。それは『お金を稼ぐこと』だ。」と述べています。
あなたも本書を読んで、搾取され続けるサラリーマンが国家に逆襲する方法である「マイクロ法人」という選択で、不条理国家ニッポンを生き抜いていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3711日目】