「日々大量の仕事をさばき、最高のパフォーマンスを発揮する編集長の仕事術は、あらゆるビジネスパーソンに役立つはずだ」という編集者の依頼に応じて書かれた本があります。
本日紹介するのは、早稲田大学政治経済学部を卒業後、文藝春秋に入社し、「週刊文春」記者・デスクを経て、2012年より「週刊文春」編集長を務める新谷学さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
新谷学『「週刊文春」編集長の仕事術』(ダイヤモンド社)
この本は、スクープを連発して、すごい結果を出し続けている「週刊文春」の現役編集長が、その裏側を全公開した書です。
結果を出すための門外不出の85の奥義を、「究極の仕事術」として、具体的なエピソードを交えて赤裸々に記しています。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.私が「仕事術」よりも大切にしていること
2.情報/人脈-全てのビジネスは「人」から始まる
3.企画/発想-予定調和はおもしろさの敵である
4.依頼/交渉-難攻不落の相手から「YES」を引き出す
5.組織/統率-ヒットを生み続けるチームはこう作る
6.決断/覚悟-リスクを恐れず壁を突破する
7.戦略/本質-「売れない」時代のマーケティング
8.フルスイング主義で行こう
本書の冒頭で著者は、「人に会い、情報を集め、交渉し、わかりやすく伝え、人の心を動かす」という著者たちが日々行っている作業が、他の仕事にも通ずる、と述べています。
そして、この本の執筆を依頼した編集者も、「日々大量の仕事をさばき、最高のパフォーマンスを発揮する編集長の仕事術は、あらゆるビジネスパーソンに役立つはずだ」と言っていて、まさにその通りだと私も感じました。
この本の中で著者が伝えたかったことは、いくつもありますが、とくに仕事に取り組む心構えや、「週刊文春」という雑誌を作る、基本的な理念・考え方は参考になります。
具体的には、以下のような記述・説明には、深い感銘を受けました。
◆ 世の中で起こっている出来事や話題の人々を「おもしろがる」気持ちがスキルやノウハウよりも大事だ
◆ それぞれのバッターボックスで「フルスイング」する、フルスイング主義で行こう
◆ 情報収集の原点は「人から人」、ヒューミント(人による情報収集う活動)である
◆ 自分が少しでも世の中の役に立ちたい、人々の幸せな暮らしに寄与したいと思ったときに、目の前の仕事がどう関係するのか
◆ 目指すゴールが明確だと目の前の仕事に取り組む姿勢も変わってくる
◆ 週刊文春が目指すものは「人間への興味」、「人間のおもしろさ」
◆ 新谷三原則は、①嘘をつかない、②弱いものいじめをしない、③仕事から逃げない
◆ 職場は明るく楽しくないとダメ
◆ 異論、反論こそがリーダーを鍛える
◆ フェアこそがヒットを出し続ける秘訣
◆ リーダーシップの根源は「信頼」である
◆ 「論」より「ファクト」で勝負する
◆ 報じるべきファクトがあれば怖れずに報じ、少しでも世の中をおもしろくしていきたい
◆ 編集長が判断を下すときの三要素は、①正当性、②合理性、③リアリズム
◆ 「ことあかれし」と「生体解剖」は、週刊誌の本質
◆ 強いコンテンツがあれば主導権を握ることができる
◆ ビジネスは対極と組んだほうがおもしろい
◆ スクープも知られなければ意味がない
◆ いちばん大切なのは「読者の信頼」
◆ 「幹を太くする」投資をせよ
この本は、取材のプロセスも含めて「見える化」していかないと、記事そのものをなかなか信用してもらえない、という問題意識から書かれました。
情報の送り手と受け手の力関係は激変し、送り手の「顔」が見えづらいと、情報は説得力を持ちえない、と著者は言います。
あなたも本書を読んで、あらゆる仕事に通じる、編集長の「仕事術」について学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を