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『シン中国移民 彼らが日本に来る理由』

「いまの中国移民は、かつてのイメージとはまったく違う」――そんな現実を鋭く描き出したレポートがあります。

本日紹介するのは、1969年生まれ、大学卒業後に地方市役所に勤務。その後、世界を放浪し、中国人やイスラム教徒、ユダヤ人らと交流を深めて世界常識を身につけ、帰国後は日本に住む外国人の実態を取材・レポートし続けている、現在は中国人の生態や活動をウォッチングする研究者である昭島聡(あきしま・さとし)さんが書いたこちらの書籍です。

昭島聡『シン中国移民 彼らが日本に来る理由』(宝島社新書)

この本は、現代日本の未来を左右する重要テーマを取り上げた一冊として、注目に値する書です。

本書は以下の5部構成から成っています。

1.日本の教育現場に、静かに広がる浸食

2.中国マネーに攪乱される “投資列島” 日本

3.日本の福祉が欲しい84万人の在留中国人

4.日本の脆弱さに付け入る中国式ビジネス

5.日本の制度疲労と警戒心の欠如

 

この本の冒頭で著者は、「中国移民といえばゴミ出しのルールを守らない、大声で騒ぐ、道に唾を吐くなど不道徳ばかりが強調され、反中の標的になってきた。しかし、いまの中国移民は違う。富裕層が増え、より豊かで安全、自由でストレスフリーな日本を目指している」と指摘しています。

本書の前半では、「日本の教育現場に、静かに広がる浸食」および「中国マネーに攪乱される “投資列島” 日本」において、教育と不動産の分野で進む中国移民の影響が描かれています。主なポイントは以下の通りです。

◆ 子どもの教育環境を求めて日本に移住する富裕層が増えている

◆ 教育現場で静かに進む“文化の浸食”と適応の難しさ

◆ 都心のマンションを大量購入し、転売や民泊運用に活用する実態

◆ 投資対象としての日本不動産が中国マネーにより攪乱されている

◆ 教育・住宅という生活基盤を軸に中国人の存在感が拡大している

 

この本の中盤では、「日本の福祉が欲しい84万人の在留中国人」および「日本の脆弱さに付け入る中国式ビジネス」が展開されます。主なポイントは以下の通りです。

◆ 医療や年金といった日本の福祉制度を求めて移住するケースが増加

◆ 永住権や在留資格を活用し、日本社会に深く根を下ろす動き

◆ 中国式の商売手法が日本の制度の隙間を突いて浸透

◆ 福祉とビジネスの両輪で拡大する“新しい移民像”

◆ 日本人にとって驚きと戸惑いを与える生活スタイルの変化

 

本書の後半では、「日本の制度疲労と警戒心の欠如」を中心に、日本社会の脆弱さとリスクが浮き彫りにされます。主なポイントは以下の通りです。

◆ 中国人の旺盛な行動力と、日本人の警戒心の薄さとの対比

◆ 制度疲労を突かれ、無防備なまま進む受け入れの現実

◆ 中国移民の存在が、日本の社会制度の限界を映し出す

◆ 管理社会や競争社会から逃れてきた移民が目指す“日本の自由”

◆ 外国人流入をどう向き合うか、日本社会の覚悟が問われている

 

この本の締めくくりとして著者は、「中国移民の増加はもはや止められない現実であり、その生態を直視し、日本社会がどう変わるのかを考えるべきだ」と述べています。

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では、今日もハッピーな1日を!【3851日目】