「ちょっとした成功なら、すぐに捨て去るぐらいの強い意志が必要だ。成功とは、そう呼ばれた瞬間から陳腐化していくものである。」と説いている書があります。
本日紹介するのは、「ユニクロ」を世界展開して急成長を続けるファーストリテイリング会長兼社長の柳井正さんが書いた、こちらの文庫本です。
柳井正『成功は1日で捨て去れ』(新潮文庫)
この本は、2009年10月に新潮社より刊行された単行本を、2014年4月に文庫化した書で、柳井正さんが2005年9月に社長に復帰した経緯や、その後ユニクロが海外への店舗展開を進めてきた考え方を紹介しています。
この本で著者の柳井さんが伝えたかったのは、「現状維持は愚の骨頂」であり、安定志向が会社を滅ぼす、ということです。
まさに本書のタイトルにある通り、「成功は1日で捨て去れ」というのが、ファーストリテイリングの全社員のみならず、多くの生き残りを賭ける経営者、会社員に向けての著者のメッセージです。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.安定志向という病
2.「第二創業」の悪戦苦闘
3.「成功」は捨て去れ
4.世界を相手に戦うために
5.次世代の経営者へ
本書の中で著者は、何度も「売れるような努力をし続けないと、絶対に売れない」と繰り返し述べています。
「売れないとか利益が出ないのを、景気や天気や他人のせいにしてはならない」と著者の柳井さんは言います。
どんな商売どんな業種でも、何の努力もせずに楽をして儲けられるものは無いが、小売業は日々の積み重ねが大切で、続けるのがとくに難しい、ということです。
経営とは常に「砂上の楼閣」と同じである、油断して自己点検、自己変革しなくなったら、その時点で終わる、というのが著者の経営者としての信念です。
2011年新年の抱負で、ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正さんは、全社員に向けて、「Change or Die」という言葉をメッセージとして送りました。
「変革せよ、さもなくば、死だ」という、まさに著者の経営者としての信念を述べた言葉です。
最後に本書の巻末に掲載されたFAST RETAILING WAY (=FRグループ企業理念)のStatement(ステートメント)を記しておきます。
「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」
あなたも本書を読んで、企業経営には何が最も大切なのか、という経営の真髄を学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を