書評ブログ

『老人たちの裏社会』から超高齢社会を考える

「死ぬよりも、上手に老いることの方が難しい時代になってしまった」と嘆いている書があります。

 

 

本日紹介したいのは、潜入取材を得意とし、ルポルタージュには定評がある新郷由起さんが書いた、こちらの書です。

 

 

新郷由起『老人たちの裏社会』(宝島社)

 

 

この本は、万引き、暴行、ストーカー、売春、ホームレス、孤立死など、他人事ではない長寿社会のリアルが描かれた書です。

 

 

本書は以下の7部構成から成っています。

 

 

1.万引き

 

2.ストーカー

 

3.暴行・DV

 

4.売春

 

5.ホームレス

 

6.孤立死

 

7.生き地獄化する余生

 

 

それぞれの項目について、複数の高齢者に取材し、実際の行動や一人ひとりの気持ちなどをリアルに描いていて、読んでいて胸につまされる感じがします。

 

 

とくに冒頭にある「万引き」については、かつては未熟な青少年の犯罪というイメージでしたが、今は「分別ある人生の大先輩である高齢者の万引きをアルバイト学生がたしなめる時代」ということで、考えさせられました。

 

 

本来、人生のお手本として、青少年に生きていく背中を見せる役割である高齢者が、犯罪に手を染める時代になってしまった、ということに衝撃を受けます。

 

 

また、男女交際や性に対する意識も、世間でイメージされているよりは、高齢になっても衰えたり変化したりするということはなく、むしろ孤独を紛らわすために、交際や異性に対する関心は高まっています。

 

 

マスメディアも熟年者の性や恋愛を煽る風潮が見られ、ひとつ間違えばストーカーなどの犯罪にも繋がりかねない危険性を孕んでします。

 

 

著者の新郷由紀さん自身が、今回の取材中に経験した、高齢者からの猛烈なアプローチやストーカー行為を記した箇所は、リアリティ満載で迫力があります。

 

 

上記構成の2「ストーカー」の最後に掲載されているコラム「シニアストーカーの凄まじき思い込みと執念」は、とくに必読の箇所です。

 

 

あなたも本署を読んで、超高齢社会に潜む「老人たちの裏社会」の実態を学び、今後の生き方の参考にしてみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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