書評ブログ

『日本経済に追い風が吹く』

「『円安』『米中摩擦』『生成AI』を日本経済浮上の好機とせよ!」と述べている本があります。

本日紹介するのは、1951年和歌山県和歌山市生まれ。一橋大学経済学部卒業後、日本開発銀行、大蔵省財政金融研究室主任研究官、ハーバード大学客員准教授、慶應義塾大学総合政策学部教授などを経て、2001年より小泉内閣で経済財政政策担当大臣、郵政民営化担当大臣などを歴任。現在、東洋大学グローバル・イノベーション学研究センター長・教授、慶應義塾大学名誉教授、世界経済フォーラム(ダボス会議)理事などを務める竹中平蔵(たけなか へいぞう)さんが、日本経済の現状と未来について提言した、こちらの書籍です。

竹中平蔵『日本経済に追い風が吹く』(幻冬舎新書)

この本は、停滞感が続く日本経済を再浮上させるための政策課題と、現在の経済環境を「追い風」と捉える発想の転換を促す提言書です。構造改革の必要性、デジタル化、労働市場の柔軟性、そして生成AIなどの技術革新がもたらすチャンスについて、わかりやすく論じられています。

本書は以下の8部構成から成っています。

1.日本経済 追い風の3つの源

2.追い風を遮る3つの壁

3.日本再生への3つの羅針盤

4.経済の追い風と制度改革4つの提案

5.潜在力とチャンスをどう活かすか

6.民主主義と政策決定プロセスと行政改革

7.政治主導は成功したのか?

8.日銀の金融政策とアベノミクスの功罪

 

この本の冒頭で著者は、「日本経済にとって、今こそ大胆な政策転換が求められている」と述べています。

本書の前半では、「働き方改革」および「補助金政策」の問題点について、以下のポイントで説明しています。

◆ 生産性向上を目的とした働き方改革の意義

◆ 労働市場の流動性と柔軟性を高める必要性

◆ 過剰な補助金が経済の自律的成長を妨げるリスク

◆ 政府支出のあり方に対する鋭い分析

◆ 経済に活力を取り戻す制度改革の提案

 

この本の中盤では、「農業改革」および「税制のデジタル化」について、具体的な提案が展開されています。主なポイントは次の通りです。

◆ 農地制度と農協の見直しによる農業の競争力強化

◆ 生産性を阻む既得権益の打破

◆ 税徴収を効率化する「デジタル歳入庁」の設立構想

◆ テクノロジーを活用した財政運営の近代化

◆ 政策の透明性と効率性の向上

 

本書の後半では、「円安」「米中摩擦」「生成AI」といった現状を、日本経済再興の好機として捉える視点が語られています。主なポイントは以下の通りです。

◆ 円安を活かした輸出型産業の強化

◆ 米中対立を機に新たな国際分業体制の構築

◆ 生成AIがもたらす産業革新の可能性

◆ 技術革新を取り込むための規制緩和と起業支援

◆ 未来志向の政策で国際競争力を取り戻す道筋

この本の締めくくりとして著者は、「経済は常に変化しており、その変化を追い風に変えるか逆風にするかは、私たち次第だ」と述べています。

あなたも本書を読んで、日本経済の変革に向けた希望と具体的行動のヒントを得てみませんか?

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では、今日もハッピーな1日を!【3738日目】