「私は、幸福学の研究者として、結婚しなくても人は幸せでいられると考えています。」「一人でも幸せは得られます。しかし、パートナーと得る幸せはヒトの可能性をさらに大きく伸ばす、豊かなものです。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、慶應義塾大学大学院スステムデザイン・マネジメント(SDM)研究員の前野マドカさんと慶應義塾大学大学院スステムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授の前野隆司さん夫妻が書いた、こちらの新刊書籍です。
前野マドカ・前野隆司『ニコイチ幸福学 研究者夫妻がきわめた最善のパートナーシップ学』(CCCメディアハウス)
この本は、「夫婦・カップルのより良い関係のための幸福学」であるニコイチ幸福学について解説した書で、前野夫妻が幸福学研究の一環として行ってきた「夫婦・カップルのための幸福学講座」の参加者からのフィードバック、コメントも紹介しています。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.なぜ、いまニコイチなのか?
2.「幸福学」研究者夫妻の幸せな関係
3.「幸福学」の基礎知識
4.ニコイチのための幸せの4つの秘訣
5.ニコイチの悩みを幸福学で考える
6.ニコイチから世界へ-広がる幸せの輪
7.ニコイチとはなんだったのか?
この本の冒頭で著者は、2017年にリクルート発行の結婚情報誌『ゼクシィ』がテレビCMで流した、次のキャッチコピーを紹介しています。
「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです。」
このCMを、メディアがこぞって取り上げ、社会現象にまでなり、宣言会議が主催する「ブレーン広告グランプリ」にも選ばれました。
結婚情報誌が、「結婚しなくても幸せになれる」と言い切ったことが画期的で、結果的に「結婚したい人」にも、未婚者にも好意的に受け取られました。
誰も傷つけることなく、「結婚の価値」を上げる、結婚を控えた人に強く響くメッセージになったのです。
但し、結婚したい人は「結婚すると幸せになれる」と思っていますが、実はそうではなくて、「結婚しただけでは自然と不幸になる」と著者は言います。
一般的には、結婚すると幸福度が上がり、それから3年ぐらいはエンドルフィンというホルモンが出ることが知られていますが、その間に冷静に相手を見て人間関係を構築しておかないと、その後は幸福度が下がるのです。
本書は、①パートナーシップの悪化や不幸せなパートナーシップをなくしたい、②ふたりだからこそ得られる深い幸せを伝えたい、という2つの理由によって書かれました。
この本の前半では、前野夫妻の出会いや夫婦関係が紹介されています。
また、ニコイチの醍醐味は成長とコミュニケーションと述べられていて、パートナーシップがうまくいく方法が説明されています。
続いて、「幸福学」の基礎知識として、幸せの4つの因子が以下の通り紹介されています。
1.「やってみよう!」因子(自己実現と成長の因子)
2.「ありがとう!」因子(つながりと感謝の因子)
3.「なんとかなる!」因子(前向きと楽観の因子)
4.「ありのままに!」因子(独立と自分らしさの因子)
この後、ニコイチのための「幸せの4つの秘訣」として、上記の「4つの因子」について、実例を紹介しながら、順に解説しています。
また後半では、ニコイチのための幸せなコミュニケーションについて述べられていて、大川一郎ほか著『エピソードでつかむ老年心理学』(ミネルヴァ書房)による夫婦のコミュニケーションについての「4つのタイプ分類」が紹介されています。
◆ 対話型
◆ 妻だけ会話型
◆ 夫だけ会話型
◆ 沈黙型
幸福学の研究の成果をパートナーとの幸せな関係づくりに応用し、とくにコミュニケーションの改善について示唆に富む内容なので、関係に悩む方にはお薦めの本です。
あなたも本書を読んで、ニコイチ幸福学を学び、より良いパートナーシップについて考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!