SNSなどのネット文化のひろがりで日本語は急激に変化しています。そうした中で、これ、本来はどう言う(言った?)のだろう、これはあまりよくない表現なのではないか・・・・などといった著者の素朴な疑問~解決策を読者に投げかけ、本来あるべき日本語らしい表現、好ましく心地よい表現等を考えるきっかけになればいいと思って書かれた本があります。
本日紹介するのは、都立国立高校、筑波大学を卒業し、20年弱の金融機関勤務の後、サービス業、不動産業、音響関連ベンチャー等に勤務した佐瀬邦生さんが書いた、こちらの書籍です。
佐瀬邦生『日本語がんばれ 日本人がんばれ メディア(特にテレビ)がんばれ』(文芸社)
この本は、日常テレビから流れてくる芸能人や政治家、アナウンサーなどからの影響か、「ら抜き」「れ足す」「を入れ」などのおかしな表現が増えていることに対して、素朴な疑問と解決策を示し、本来あるべき日本語らしい表現、好ましく心地よい表現を考えるきっかけにするために書かれました。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.文法的なこと
2.読み・発音・アクセント等、音声や表記に関すること
3.番組・CM等制作及びその準備・運営面での労力等に関すること
4.いろいろ気になる表現全般について
5.日本語の明るい未来に向けて我々でできること
この本の冒頭で著者は、テレビで使われた「使いたくない表現」の事例を挙げて、これから書いて行こうとしている「日本語の文法」、「表記や音声」、「作り込み」、「その他表現」についての指摘を紹介しています。
まず初めに取り上げている「文法的なこと」については、以下の5つの観点から考察しています。
◆ 自動詞・他動詞
◆ 助詞
◆ 敬語表現
◆ 可能動詞~ら抜き言葉、れ足す言葉
◆ 文法的な話題への公的援軍~文化庁「国語に関する世論調査」の結果の概要
次に、読み・発音・アクセント等、音声や表記に関する事では、次の5つの観点から分析しています。
◆ 日本語の読み
◆ 日本語の発音・アクセント
◆ ほぼ日本語化している外国語のカタカナ表記
◆ 外国語(主として固有名詞・商品名等)の読み・発音・表記
◆ 外国語関連
そして、番組・CM等制作及びその準備・運営面での労力等に関することでは、以下の3点を見ています。
◆ アナウンス・ナレーション、字幕等
◆ CM
◆ ドラマ
その他、いろいろ気になる表現全般については、次の5つの点を挙げています。
◆ 政治絡み、時事問題等
◆ 古くからの表現、成句、慣用句、珍しい言葉、不思議な表現等
◆ 徐々に変化しながら定着する言葉・表現、本来の意味や定説とはやや異なる用法等
◆ ちょっとした勘違い、やや不適切な表現等
◆ 現代若者言葉、ファミコン言葉等
さらに、日本語の未来に向けて我々でできることとして、最後に6点を著者は述べています。
◆ ちょっといい話、お洒落な日本語、気持ちの良かった表現等
◆ 耳に心地よく美しい日本語を守るために考えたいこと
◆ 日本語学者の業績に共感したこと等
◆ 日本語教育について 教育者の立場と私の考え
◆ 日本語の魅力 よく見て(聞いて)おかないともったいない素晴らしさ
◆ まとめ
この本は、日常私たちがよく使い、また耳にする日本語を、さまざまな状況、角度から考察し、分析している書で、参考になります。
あなたも本書を読んで、日本語の乱れ、特にテレビにおける日本語について、改めて考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を