大きな社会変化の中で、立ちすくみ右往左往する高齢者たちを丹念に取材したルポルタージュが刊行されました。
本日紹介するのは、編集プロダクション勤務などを経てフリーライターとして活躍する林美保子さんが書いた、こちらの新刊新書です。
林美保子『ルポ 難民化する老人たち』(イースト新書)
この本は、生活保護支給額よりも低い国民年金に頼る高齢者たちの貧困の実態に迫るルポルタージュです。
また、「個」の時代を反映した孤立死や、多くの人々を苦しめている介護問題について、その現実を明らかにしています。
本書は以下の10部構成から成っています。
1.年金が足りない~底をつく老後資金~
2.自分の時間がない~ケアメンはつらいよ~
3.仕事がない~フリーランスの末路~
4.頼れる人がいない~孤立死の後始末~
5.子どもが自立しない~増える年金パラサイト~
6.住む家がない~ハウジングプアの悲惨~
7.介護施設が足りない~施設不足によって生まれたグレーゾーン~
8.お金が戻ってこない~狙われる老後資金~
9.ローンが終わらない~住み慣れた我が家は砂上の楼閣
10.難民化する老人たち
この本で取り上げている上記のテーマは、現在の高齢者が抱える、ほぼすべての分野の悩みを網羅しています。
とくに病気になった時に、貧困へ落ちてしまうきっかけとなる医療費問題は深刻です。但し、健康保険に関する正確な知識を持たない高齢者も多く、破綻せずに済むケースも多い、と著者は言います。
例えば、国民健康保険の「一部負担金の減額免除制度」や、「高額療養費制度」などを知らないで損をしているケースがかなり多いそうです。
今は情報社会で、無知でいることほど怖いことはない状況です。
また、フリーランスのライターが高齢者の仲間入りをする時期になると、仕事も減り、国民年金しかないため、寂しい末路を迎える著名なライターも多い、ということです。
本書を読めば以下のような、「難民化する老人」の将来が見えてきて、身に詰まされます。
◆ 年金が足りない
◆ 仕事がない
◆ 頼れる人がいない
◆ 子どもが自立しない
◆ 介護施設が足りない
◆ ローンが終わらない
あなたも本書を読んで、「壊れゆくニッポンの老後」について、学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を