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『元公安捜査官が教える「本音」「嘘」「秘密」を引き出す技術』

「人は、どんなに親しい間柄でも、簡単には心の中を見せないものですし、あまり親しくない関係なら、なおさら厚い壁が存在するのです。」と述べて、「でも、それがちょっとした工夫で可能になるとしたら、どうでしょう?」と呼びかけている本があります。

 

 

本日紹介するのは、警視庁公安部捜査官として、数々の諜報活動の取り締まり情報収集活動に従事、機敏な情報の収集能力と高い捜査手腕が評価され、警視総監賞をはじめとする各賞を受賞、退職後は大手金融機関における社内調査や、会計・品質の不正調査業務に携わったほか、各種インテリジェンスを駆使したサービスにも関わるなど、専門的な経験を幅広い分野で活かし、現在は安全保障・地政学リスクに主眼を置いた各種コンサルティングの分野で活躍する稲村悠さんが書いた、こちらの書籍です。

 

稲村悠『元公安捜査官が教える「本音」「嘘」「秘密」を引き出す技術』(WAVE出版)

 

 

この本は、相手との間に強い信頼関係を築き、その結びつきをベースに信用度の高い、有益で貴重な情報を引き出してきた著者の経験から、実際に試してみて有効だったテクニックだけを厳選して伝えている書です。

 

 

本書は以下の5部構成から成っています。

 

1.「公安」とはどのような仕事か

2.私が情報を引き出す5つのステップ

3.信頼関係を築くためのテクニック

4.「本音」「嘘」「秘密」を引き出す技術

5.あなたの大切な情報を守るために

 

 

この本の冒頭で著者は、本書で紹介するテクニックは「座る場所を変える」「質問の仕方を変える」「注目するところを変える」など、どれも簡単なアクションばかりだ、と述べています。

 

 

本書の前半では、「公安とはどのような仕事か」について、以下のポイントを説明しています。

 

◆ 公安警察は、暴力主義的な破壊活動や国益を侵害する行為、敵対国の諜報活動を取り締まる

◆ 公安は事件になる前に動く

◆ 公安は「諜報活動に対する諜報活動」で相手に気づかれずに行う

◆ 公安は秘密主義でエリート集団という側面も

◆ 公安捜査官の武器は「普通であること」

 

◆ 公安の情報収集ステップ1は「オシント(OSINT)」

◆ 公安の情報収集ステップ2は「ヒューミント(HUMINT)」

◆ 公安の情報収集ステップ3は「シギント(SIGINT)」

◆ ヒューミントに不可欠な信頼関係の構築

 

◆ 情報を扱うときの原則1は「情報は本丸ではなく周辺を当たる」

◆ 情報を扱うときの原則2は「違った角度からも見てみる」

◆ 情報を扱うときの原則3は「派手な情報ほど冷静に受け止める」

◆ スパイは尾行を振り切る「点検行動」をする

 

 

この本の中盤では、「私が情報を引き出す5つのステップ」および信頼関係を築くためのテクニック」について著者の経験・ノウハウを紹介・説明しています。主なポイントは次の通り。

 

◆ 人から情報を得るステップ1「選定」は、情報を得る対象者を選ぶ

◆ ステップ2「基調」は、基本調査(プロファイリング)のこと

◆ ステップ3「接近」は、対象者に近づき、接触すること

◆ ステップ4「獲得」は、核心の情報を得るために対象者を「協力者」に格上げする

◆ ステップ5「運営」は、協力者との信頼関係を維持し、継続的に情報を入手する

 

◆ 信頼関係を築くためのテクニック1は、「相手と会う前の準備」(店選びなど)

◆ 信頼関係テクニック2は、「相手に好印象を与える」(服装のミラーリングなど)

◆ 信頼関係テクニック3は、「相手のキャラクターを知る」(違和感をチェックなど)

◆ 信頼関係テクニック4は、「相手の心に寄り添う」(相手の弱みを困りごとと捉える)

◆ 質問しないで本音を語らせる

 

 

本書の後半では、「本音・嘘・秘密を引き出す技術」およびあなたの大切な情報を守るために」について解説しています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ 聞きづらいことを相手に語らせるには、外堀から核心に迫る

◆ あえて誤った推測をぶつけてみる

◆ 弱みを提示して反応を見る

◆ ごまかせない質問で誠実さを測る

 

◆ 嘘を見抜くテクニック1は、しぐさを観察する

◆ 嘘を見抜くテクニック2は、オープン話法と問答法

◆ 本音を引き出すテクニック1は、「沈黙」を効果的に使う

◆ 本音を引き出すテクニック2は、ギャップで相手を動揺させる

 

◆ 個人情報の流出を防ぐためにSNS設定を見直す

◆ 過去の氏名変更を暴かれる

◆ 日本企業の技術情報が狙われている

◆ 情報流出の6パターン(①投資・買収・合併、②サイバー攻撃、③経歴偽装による在籍、④共同研究・事業、⑤人材リクルート、⑥不審なアプローチ)

◆ スパイが目をつける4つの不徳(①情欲、②名誉欲、③復讐欲、④強欲)

 

 

この本の締めくくりとして著者は、「本書ではさまざまなテクニックを紹介しましたが、これらをどのように活用するかは、皆さん次第です。」と述べています。

 

さらに、「手に入れた情報は、目的や手段によって、人生を豊かにするスパイスにもなれば、人を傷つける武器にもなるでしょう。」と続けています。

 

 

あなたも本書を読んで、情報を適切に使いこなすことによって、自らのビジネスを成功に導き、豊かな人生を実現してみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2901日目】