「人口が減少しても何も問題はありません。この本では、その理由を解き明かします。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、東京大学理学部数学科、経済学部経済学科を卒業し、大蔵省(現・財務省)に入省、第一次安倍内閣で経済政策ブレーンとして活躍し、「霞が関埋蔵金」の公表、「ふるさと納税」「年金定期便」などの政策を提案、現在は嘉悦大学教授の高橋洋一さんが書いた、こちらの書籍です。
高橋洋一『未来年表 人口減少危機論のウソ』(扶桑社新書)
この本は、人口減少が危機だと叫ぶ人たちに対して、マクロ経済の統計や分析を基にして、そのような事実はないことを明らかにしている書です。
とくに、河合雅司著『未来の年表』(講談社現代新書)や藻谷浩介著『デフレの正体』(角川oneテーマ21)が人口減少による危機感を呼び起こしたと指摘しています。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.「人口減少危機論=人口増加幸福論」の罪
2.人口問題の本質
3.移民政策の是非
4.年金と社会保障の真実
5.誤解だらけの雇用政策批判
6.税源で決まる地方分権
7.人口減少時代に我々がすべきこと
この本の冒頭で著者は、人口問題の本質について触れ、「価格」と「物価」とを混同する自称・経済評論家たちを厳しく批判しています。
そして、東大数学科出身で元大蔵省キャリア官僚らしく、統計データをもとに、デフレが人口減少によるものではなく、金融政策(ベースマネー、すなわち日銀が供給する通貨量)で決まる、と指摘しています。
続いて、人口減少によって日本には様々な危機が来るという世間一般の論調に対して、著者は以下のような自説を展開しています。
◆ 移民の拡大は外国の移民政策失敗と同じ結果になる
◆ 労働力としての外国人は必要なくなる
◆ 単純労働はAIに置き換わる
◆ 厚生年金制度には様々な問題がある
◆ 人口減少で社会保障制度は破綻しない
◆ 雇用改善は金融政策が要因
◆ 人で不足解消は女性の動き次第
◆ 副業解禁は人手不足が原因
◆ AIが人間を超えることや完全に代替することもない
◆ 複数の言語が操れれば世界は広がる
この本の最後で著者は、地方分権は税源次第であること、そして財政危機のウソに騙されず、今から個人として「老後格差」に備えることを提唱しています。
あなたも本書を読んで、人口減少危機論について、改めて考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!