「ロジカル・シンキングの目的は、相手を論破することではない。互いの不完全さを認め合いながら議論し、よりよい答えを導き出すことにある。」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、人気ビジネススクールのグロービス経営大学院および同大学院教授の岡重文さんが書いた、こちらの新刊新書です。
岡重文『[ポケットMBA] ロジカル・シンキング』(PHPビジネス新書)
この本は、ロジカル・シンキングを身につけるための決定打というのは難しいものの、「確かにそうだよね」ということと、「一手間かけるにはどうすればよいか」について、できるだけわかりやすく表現することを心がけて書かれました。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.「ロジカルに考える」って何だろう?
2.「分析」のセンスを磨く
3.評価-思考プロセスを透明化せよ
4.「仮説」の精度を上げる
5.「選択」という大問題-結局、どう決めればいいのか
6.「ロジカル」からスタートしよう
この本の中心は、次の4つのテーマで、「しっかり考える」とはどういうことか、そしてその際に「何に気をつければいいのか」という努力の方向性と、組織の中で実際に使っていく際に「意識しておきたいこと」を記しています。
◆ 分析
◆ 評価
◆ 仮説
◆ 選択
以上の4つのテーマを通して、「ロジカルに考える」ということについて、考察し、実際に使えるスキルにして行こう、ということです。
まず、「分析」については、「分ける」と、「析」は「木」と「斧」から成り、木を斧で小さく切ることを意味しています。つまり、「分析」とは、分解、つまり「分けて考える」ということです。
そこで、どういう対象で分けるか、というのがポイントで、「定量」(モノ=式ベースで、足し算か掛け算)と「定性」(コト=要素かプロセス)という2つの対象で分解できます。
そして、正解のない世界に必要な「2つの武器」として、「分ける」という行為(分析)を行う際に、次の仮説(思考)が求められる、と本書では指摘しています。
◆ この「切り口」で切ると傾向が見えるのではないか
◆ こんな風に分ける(切り方)と、傾向が見えるのではないか
また、掛け算型分解では、「絶対」と「相対」の両方の視点で考えると良い、と著者は言います。代表例としては、売上を「単価×数量×頻度」の3次元で考える、などです。
さらに、相対視点による分解では、以下の3つを持っておくといい、とこの本では説明しています。
1.シェア(全体と部分)
2.フロー(プロセス)
3.トレンド(時系列)
次に、ビジネスにおける「評価」については、「よいか」「悪いか」を判断することです。そもそもビジネスは「評価」の連続で、変数を揃えることが大切になります。
3番目のテーマとして、「仮説」について、「過去」「現在」「未来」の3つの方向があります。過去の仮説は、「因果」、現在の仮説は「類推」、そして未来の仮説は「予測」になります。
最後の4番目のテーマは「選択」になります。選択にも様々な論点があり、ビジネスに必要なのは、「自己完結型」選択です。さらに、ストーリーとしての妥当性も見る必要があるでしょう。
そして、分析、評価、仮説、選択の、それぞれの根拠を明確にすることが重要だ、と著者は述べています。
ロジカルシンキングが身につく、分かりやすい本としては、HRインスティテュートが書いた、こちらの本がお薦めで、文庫本にもなっています。
また本書の最後には、ロジカルシンキングに関する「参考図書」が掲載されていて参考になります。グロービス以外の本としては、次のような書籍が掲載されています。
あなたもこの本を読んで、ロジカルシンキングの基本を学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を