「論理的に考え、問題が解決できても、それを相手にうまく伝えられなければ意味がない」「プレゼンテーションがうまくできても、話す中身がなければ意味がない」という現実を痛感している、と述べて、「正しく考える」能力と「正しく伝える」能力は、ビジネスマンにとって不可欠であり、両輪としてバランスよく身につけなければならない、と提唱している本があります。
本日紹介するのは、東京大学理科Ⅰ類中退、京都大学法学部卒業後、戦略系コンサルティングファームのアーサー・D・リトルに入社、プロジェクトリーダーとして活動し、採用・研修担当も行い、マブチモーター株式会社、ボストン・コンサルティング・グループを経て、プレセナ・ストラテジック・パートナーズを設立した同社CEOの高田貴久さんが書いた、こちらの書籍です。
高田貴久『ロジカル・プレゼンテーション-自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」』(英治出版)
この本は、「提案の技術」がないために、多くの「優れたプラン」が具体化されることなく消えていったという現実を直視し、そうしたビジネス上の詰めの甘さを自覚し、提案を成功に導くための「技術」を明らかにした書です。
本書は以下の7部構成からなっています。
1.新規事業立ち上げのストーリー
2.提案の技術とは
3.論理思考力-話をつなぐスキル
4.仮説検証力-疑問に答えるステップ
5.会議設計力-議論をまとめるスキル
6.資料作成力-紙に落とすステップ
7.ストーリー 提案の成功
この本では、次の「4つの必須基本能力」のすべてを、「提案」という切り口で整理しています。
◆ 論理思考力-話をつなぐスキル
◆ 仮説検証力-疑問に答えるステップ
◆ 会議設計力-議論をまとめるスキル
◆ 料作成力-紙に落とすステップ
最初に、京都にある上賀茂製作所というメーカーに勤務する中山さんが社長から、困難が予想される新規ビジネスの立ち上げを命じられ、プレセナコンサルティングの戸崎さんがそれを支援するストーリーが記述されています。
そして、「提案しなければならない」局面に立たされたとき、私たちはどうずべきかが書かれています。「提案の技術」とは何か、提案に際しての基本的な技術が解説されています。
多くの提案は、その内容を形としてあとに残すため、また自分の頭を鍛えるために「紙に落とす」ことが必要です。
次に、「論理思考力」を使って、提案内容を筋道立てて構成していく技術が解説されています。
論理がつながっているためには「全体が正しく定義されていて、モレもダブリもない」ことがポイントです。
縦横の論理の集大成が、ピラミッド・ストラクチャーで、この論理思考力は、仮説検証力や問題解決力などすべての基礎となる、最重要スキルです。
続いて、「仮説検証力」を使って、相手の疑問を打ち消していく技術が解説されています。
論理的に正しいからといって相手が納得するとは限らず、相手の疑問に答えるために「仮説検証型思考」が必要となります。
「仮説検証型思考」は、➀目的の理解、②論理の把握、③仮説の構築、④検証の実施、⑤示唆の抽出、という「5つのステップ」で進めます。
さらに、「会議設計力」を使って、議論をまとめていく技術が解説されています。
会議を設計するうえでは、「着地点」と「着地スタイル」の設計が重要になります。そして会議の設計は、提案書の構成に大きな影響を及ぼすのです。
最後に、「資料作成力」を使って、説得力にあふれた文章や図表を作成する技術が解説されます。
言いたいことを紙にまとめるステップは次の5つがあります。
1.メッセージを書く
2.チャート化する
3.スライド化してまとめる
4.パッケージとしてストーリーを持たせる
5.マテリアルとして会議に合った資料群にする
また簡潔な資料を作るのは、➀不要な情報、②不要な文字、③不要な属性情報の3つを捨てる勇気を持つことが必要です。
相手に考えさせたら負けで、見た瞬間にスッと理解できる資料を作ることが求められるのです。
あなたも本書を読んで、自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」である「ロジカル・プレゼンテーション」のスキルを身につけてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!