書評ブログ

國弘正雄『國弘流 英語の話しかた』(たちばな出版)

國弘正雄氏は、我が国の同時通訳の基礎を築き上げた英語界の第一人者だ。アポロ11号が人類初の月面着陸を成し遂げた1969年7月に、米国による中継放送を同時通訳したことで知られる。

 

その後、國弘氏は日本の英語教育に力を注ぎ、多くの弟子に英語の神髄を伝え、英語の達人を養成した。ビジネス英語のTOEIC試験であろうと、英検であろうと、米国大学留学のためのTOEFLであろうと、英語を学ぶ神髄は変わらない。

 

そういう意味で本書は、すべての英語学習者が読むべき「珠玉の書」と言えるだろう。私は、英語力をつける上で、一冊だけ推薦書を挙げろと言われたら、迷いなく本書を選ぶ。

 

本書で述べられる英語の習得法は、「只管朗読」だ。意味を理解できる程度の易しい、優れた英文を、繰り返し音読することだ。國弘氏は、通訳の仕事に入る直前にも、只管朗読をずっと実践してきたという。

 

同時通訳の第一人者でも、英語力を磨き、維持していくための最良の方法が音読なのだ。国際会議の同時通訳を行う最高峰に位置する通訳者と、私も一緒に会議運営の仕事をした経験があるが、トップレベルの通訳者ほど勉強熱心だ。

 

國弘氏の弟子で、TOEIC試験の日本導入・普及に尽力された千田潤一氏は、音読に加えて、読んだ英文をひたすら書き写す筆写を同時に行う「音読筆写」を最強の英語習得法として提唱している。

 

千田氏の著書については、2013年11月5日に紹介 (『めざせ!中級 新TOEICテスト実戦トレーニング』) したが、機会があれば後日、さらに詳しく書かれた書籍を採り上げたい。

 

國弘氏の唱える「只管朗読」の効果を信じ、ひたすら意味の理解できる英文を繰り返し音読することで、私も英語力を上げ、TOEICスコアも800点を超えるようになった。私も熱烈な國弘メソッド信奉者になったゆえんだ。

 

ともかく、何も言わずに読んでもらいたい英語学習の基本書として、心から薦めたい。

 

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!