「これだ、これしかない!」――そう直感したシンプルすぎる投資法との出会いから、25年の道のりを経て「億り人」へと至った物語があります。
本日紹介するのは、1973年東京都生まれ、都内IT企業に勤務するかたわら、2005年から投資ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」を運営し、インデックス投資のバイブル的存在となった水瀬ケンイチ(みなせ・けんいち)さんが書いたこちらの書籍です。水瀬さんは、故・経済評論家の山崎元氏が「最も信頼した個人投資家」と称した人物であり、ベストセラー『ほったらかし投資術』(朝日新書)の共著者。さらに『お金は寝かせて増やしなさい』(フォレスト出版)も大ヒットし、著書の累計部数は55万部を突破(電子含む、2025年6月時点)。ごく普通のサラリーマンが、25年間の愚直な実践で資産を築いた記録をまとめた一冊です。
水瀬ケンイチ『彼はそれを「賢者の投資術」と言った』(Gakken)
本書は以下の3部構成から成っています。
1.実践編
2.理論編
3.Q&A
この本の冒頭で著者は、26歳のときに貯金ゼロ、ローン持ちという “ダメ男” だった自分が、居酒屋での友人との会話をきっかけに投資を始めた経緯を振り返ります。そこで出会ったのが「インデックス投資」――チャートも業績予想も不要で「ただ毎月買うだけ」という拍子抜けするほどシンプルな手法でした。
本書の前半では「実践編」として、水瀬さん自身が歩んだ投資人生が3つのフェーズに分けて描かれます。
◆ インデックス投資前夜の大迷走時代
◆ 激動のインデックス投資の道のり【初期】2000年~2002年
◆ 困惑のインデックス投資の道のり【中期】2002年~2009年
◆ 豊穣のインデックス投資の道のり【後期】2010年~2019年
◆ 初期・中期・後期を通じてわかったこと
この本の中盤では「理論編」として、25年間で著者が学んだ投資と人生の5つの真理を提示しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 投資は「資金に余裕のある人がやるもの」から「必修科目」へ
◆ なぜ、「ほったらかし」でも株価は上がるのか(資本主義は拡大再生産)
◆ 投資の目的を忘れない
◆ 手間をかけないことの価値
◆ 健康と人間関係を大切にする
◆ 人生を豊かにする「体検投資」
◆ 最も貴重な資源である「時間」への投資
◆ 人生の基盤(=住まい)への投資
◆ 社会貢献という意味を与える活動
◆ 投資の終活準備
本書の後半では「Q&A編」として、つみたてNISAやiDeCoをめぐる疑問、暴落時の心構え、出口戦略の考え方など、個人投資家が抱える典型的な不安に水瀬さんが丁寧に答えています。日本人向けに最適化した「インデックス投資スタートガイド」として、これから投資を始める人にも実践しやすい内容になっています。
この本の締めくくりとして著者は、「愚直に積み立てを続ければ、人生もお金も整っていく」と述べています。拍子抜けするほどラクに見えて、実は誰にでもできる王道の投資法。その25年の道のりを追体験することで、読者もまた “賢者の投資術” を自分の人生に取り入れることができるでしょう。
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では、今日もハッピーな1日を!【3820日目】