「“経済記者でさえも取りつかれてしまうM&Aの世界”」――そんな生々しい舞台裏を、本音で描いた一冊があります。
本日紹介するのは、1970年生まれ、大学卒業後にNHKへ入社し記者として事件取材を担当。その後、ダイヤモンド社に入社し、経済誌で流通、商社、銀行、不動産業界などを担当する傍ら、週刊ダイヤモンドで特集制作に携わり、2020年11月に東洋経済新報社に入社。現在は週刊東洋経済副編集長を務める田島靖久(たじま・やすひさ)さんが書いたこちらの書籍です。
田島靖久『M&A Booklet 経済記者が見たM&Aの裏側』(中央経済社)
この本は、経済記者の目を通してM&Aの現実を追体験できる、臨場感あふれる一冊です。
本書は以下の4部構成から成っています。
1.経済記者の仕事と本音
2.M&Aを追いかける
3.M&Aを取り巻くプレーヤー
4.M&Aにおける経済記者の視点
この本の冒頭で著者は、「経済記者の仕事と本音」を起点に、経済記者だからこそ知り得る取材の現場、そして時に自身も魅了されるM&Aの世界の奥深さを描いています。
本書の前半では、「経済記者の仕事と本音」および「M&Aを追いかける」について、記者という職業のリアルな日常と、取材対象としてのM&A案件の現場感覚が語られています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 経済記者にとっての ”麻薬” とも言える「特ダネ」
◆ 情報が錯綜する中でのファクトチェックの重要性
◆ 記者自身が飲み込まれるM&Aの奥深さと魅力
◆ 実際の案件を通じて浮かび上がる人間模様とストーリー
◆ M&Aの主役は銀行から投資ファンドに
この本の中盤では、「M&Aを取り巻くプレーヤー」に焦点を当て、企業経営者、投資銀行、法律事務所、ファンドなど、多様な関係者が交錯するM&Aの世界を多角的に紹介しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 主役に躍り出た投資ファンド
◆ 投資銀行が果たす役割とその裏側
◆ 法律事務所やアドバイザーが担う調整機能
◆ アクティビスト銘柄がM&Aのターゲットに
◆ 存在感を増すPE(プライベート・エクイティ)ファンド
本書の後半では、「M&Aにおける経済記者の視点」において、記者としての立場から見える“裏側”を描き出し、読者に深い示唆を与えてくれます。主なポイントは以下の通りです。
◆ 記者が注目する「同意なき買収」に銀行や独立系も参入
◆ 読者に伝えるべき本質とニュース性の見極め
◆ 増加するMBOのデメリットも
◆ M&Aが社会や産業に及ぼす影響の取材視点
◆ 経済記者だからこそ描ける“現場の空気感”
この本の締めくくりとして著者は、「まさに生死をかけた切った張ったの戦いが繰り広げられるM&Aの取材は、不良債権時代に経験したものと同じ ”臭い” がしたのだ」と述べています。
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では、今日もハッピーな1日を!【3853日目】