「私たちを支配する『苦しさ』には単純な原因があり、対処する方法がある。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、平成元年佐賀県有田町生まれ、慶應義塾大学商学部卒業、東京大学大学院経済学研究科マネジメント専攻博士課程修了、博士(経営学)で、第73回義塾賞、第36回組織学会高宮賞(論文部門)など多くの賞を受賞、現在は慶應義塾大学商学部准教授、THE WHY HOW DO COMPANY株式会社(東証スタンダード市場:3823) 代表取締役社長の岩尾俊兵さんが書いた、こちらの書籍です。
岩尾俊兵『経営教育 人生を変える経営学の道具立て』(角川新書)
この本は、「みんな苦しい」には根本原因があり、原因が分かれば対策も打てること、そしてその対策としての「経営教育」について解説している書です。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.私たちの苦しさの正体は何なのか?
2.奪い合いの世界から脱する方法はあるのか?
3.他者と創り合える未来はひらけるか?
4.どうすれば対立は乗り越えられるのか?
5.私たちはどうやって進歩していけるのか?
6.人と組織が変わる意味はあるのか?
7.これから社会と世界はどう変わっていくのか?
8.私たちが今日からできることは何か?
この本の冒頭で著者は、価値創造三種の神器(思考道具)を以下の通り紹介しています。
①未来創造の円形
②問題解決の三角形
③七転八起の四角形
本書の前半では、「私たちの苦しさの正体は何なのか?」および「奪い合いの世界から脱する方法はあるのか?」について以下のポイントを紹介しています。
◆ 経営者、従業員すべての「苦しさ」の正体は、価値有限の思考(奪い合い)
◆ 日本の4度の人口減少からの脱出は、価値有限から価値無限への転換
◆ 苦しさからの出口としての価値無限思考
◆ 価値創造の油田と金鉱としての頭脳開発
◆ 経営の語源に会社やお金儲けという意味はない
この本の中盤では、「他者と創り合える未来はひらけるか?」「どうすれば対立は乗り越えられるのか?」および「私たちはどうやって進歩していけるのか?」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆「奪うから創る」「利己から利他」という転換
◆ 未来創造のための3ステップ:①円形の真ん中に欲望、②奪うから創るへの第一転換、③利己から利他への第2転換
◆ 問題解決の三角形の原型は、トヨタ生産方式やTOC理論
◆ 問題の三角形で整理し、解決の三角形へと変換する
◆ 問題解決の5ステップ:①悩みを左側三角形の上部に記入、②対立構造に分解して左側三角形の下2つに記入、③右側三角形の上部に究極の目標を記入、④左側三角形の対立が右側三角形の究極の目標にどう寄与するかを考えて下部2つに記入、⑤左側の問題の三角形に✕をつけ、見ないようにして右側の解決の三角形だけで全ての楕円を満たす解決策を考える
◆ 七転八起の四角形とドラッカー経営学
◆ 次の一手を打ち続ければ、七転八倒が七転八起に変わる
◆ 七転八起の5ステップ:①四角形左上に自分を悩ませる過去の出来事を記入、②左下に過去の出来事のプラス面(学び)を記入、③右下にマイナス面を記入、④マイナス面を打ち消す次の一手を考えて右上に記入、⑤左上から四角形を何度も回す
本書の後半では、「人と組織が変わる意味はあるのか?」「これから社会と世界はどう変わっていくのか?」および「私たちが今日からできることは何か?」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ AI時代に人間に残る仕事は価値創造
◆ 価値創造思考は組織全体で共有してこそ意味がある
◆ 価値創造の民主化を愚直に学んだ米国
◆「価値(イノベーション)は創ればいい」という発想
◆「人生経営」という社会文化規範
◆ イスラエルのユダヤ教徒は小さい時から「価値創造の英才教育」を受けている
◆ 自分の人生の歴史に根差した価値創造+他者の経験に根差した知識(T型経営教育)
◆ 本書は「価値創造の民主化」実現のためのマニフェスト
この本の締めくくりとして著者は、「現代日本の問題を解決する答えは見えた」「多様な価値を生み出す、1億個のヒトの頭脳という油田と金鉱を再発見する」と述べています。
あなたも本書を読んで、「限りある価値の奪い合い」という「価値有限思考」から脱皮して、「限りない価値の創り合い」という「価値無限思考」へ進んでいきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3687日目】