「年間160万人が亡くなる日本、家族の介護やみとりが当然でなくなり、いつかは誰もがおひとりさまの時代が来た。」― 家族がいても、最後まで家族に頼れるとは限らない。単身高齢者が増え、多死社会を迎えた日本で、介護、看取り、死後事務、実家、墓、仏壇、デジタル遺品、そしてお金をどう整理していけばいいのか。「家族じまい」「ひとりじまい」という視点から、終活の最前線を取材した本があります。

本日紹介するのは、1978年生まれ、早稲田大学第一文学部を卒業後、2000年に日本経済新聞社に入社、社会部で事件事故、災害、教育、医療、国税などを取材し、文部科学省、都庁、遊軍のキャップ、社会部デスク、調査報道グループデスクなどを歴任、くらし経済グループで「多死国家のリアル」の連載を手掛けた高岡憲人(たかおか・のりひと)さんが著した、こちらの書籍です。

高岡憲人『家族じまい・ひとりじまい 誰もがおひとりさま時代の終活最前線』(日経プレミアシリーズ)

 

日本では年間160万人が亡くなる「多死社会」を迎えています。かつては親の介護や看取り、葬儀、墓の管理などを家族が担うことが当たり前とされてきました。

しかし、単身世帯の増加、未婚化、少子化、家族関係の変化によって、その前提は崩れつつあります。家族がいても、遠方に住んでいたり、関係が疎遠だったり、介護を担えなかったりするケースもあります。

そこで必要になるのが、元気なうちから「自分の老後と死後を誰に、どう託すか」を考えておくことです。

本書は以下の7部構成から成っています。

1.フグ田タラオさん、77歳 ~変わりゆくニッポンの終活

2.単身高齢者を支える「家族代行サービス」

3.「おひとりさま」の老いじたく

4.実家、墓、仏壇…令和の「3しまい物語」

5.様変わりする「弔い」の選択肢

6.実家、墓の次はお金 「ゼロで死ぬ」知恵

7.「人生100年時代」を生ききる

 

本書の前半では、変わりゆく家族と「おひとりさま」の終活について、以下のポイントを説明しています。

◆ 家族がいても、介護や看取りを頼めるとは限らない

◆ 単身高齢者には「家族代行サービス」という選択肢が広がっている

◆ 介護疲れや親子関係から、あえて「家族じまい」を選ぶ人もいる

◆ 身元保証や死後事務などを支援する「終サポ」が増えている

◆ 元気なうちに、自分の終活情報を整理しておくことが重要になる

 

この本の中盤では、モノや人間関係をどう整理するかについて解説しています。主なポイントは次の通り。

◆「実家じまい」は残置物処分まで含めた大きな課題になる

◆ 墓を継ぐ人が減り、「墓じまい」や海洋散骨が広がっている

◆ 仏壇も、暮らしに合わせた整理や供養の方法を選べる

◆ スマホやSNSなど「デジタル遺品」の整理も欠かせない

◆ 弔いの形は、家族中心から本人の意思を尊重する形へ変わっている

 

本書の後半では、お金と人生の「しまい方」について考察・提言しています。主なポイントは以下の通りです。

◆ 老後資金は「残す」だけでなく「使い切る」という発想もある

◆ 資産を運用しながら計画的に取り崩す方法を考える

◆ 元気な時期に経験や楽しみにお金を使う

◆ 大切な情報は家族や支援者に分かる形で残しておく

◆ 人生100年時代こそ、自分らしい最期を自分で設計する

 

本書を読んで最も印象に残ったのは、「家族がいるから大丈夫」という時代ではなくなったという点です。

終活とは、死ぬ準備だけではありません。介護、住まい、お金、実家、墓、デジタル情報までを整理し、最後まで自分らしく生きるための準備です。

とくに重要なのは、家族任せにせず、元気なうちから「誰に何を託すのか」を決めておくことでしょう。

また、『DIE WITH ZERO』の考え方を取り入れた「ゼロ活」も興味深い提案です。資産を残すことだけに集中するのではなく、人生を豊かにするためにどう使うかという視点です。

誰もが最後は「おひとりさま」になる可能性がある。だからこそ、元気なうちから自分の人生のしまい方を考えておく。人生100年時代の「終活」を具体的に考えるうえで、実践的なヒントを与えてくれる一冊です。

YouTubeチャンネル「大杉潤のYouTubeビジネススクール」でも、人生100年時代の働き方、定年後キャリア、ひとり起業、資産形成やライフスタイルなど、仕事と人生を豊かにする情報を発信しています。ぜひチャンネル登録をしてご覧ください。

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では、今日もハッピーな1日を!【4237日目】