「最期まで、自分の足で歩いていたい」ー そう願う人にとって、この本のタイトルは、とても強く、そしてやさしく響くのではないでしょうか。

本日紹介するのは、群馬大学医学部卒業後、群馬大学医学部附属病院第一外科に勤務。手術、抗がん剤治療、胃ろう造設などを行う中で、医療のあり方に疑問を持ち、2008年から9年にわたり緩和ケア診療所に勤務し、在宅緩和ケア医とし2000人以上の看取りに関わり、自ら開設した「緩和ケア 萬田診療所」の院長萬田緑平さんが、「延命」ではなく「生ききること」を真正面から語った、こちらの書籍です。

萬田緑平『棺桶まで歩こう』(幻冬舎新書)

本書のメッセージは、きわめて明快です。それは ―「延命より満足を、治療より尊厳を」

著者は元外科医であり、現在は在宅緩和ケア医として、2000人以上の人生の最終章に寄り添ってきました。その経験から導き出された言葉は、どれも現場を知る医師だからこそのリアリティに満ちています。

本書は、以下の5部構成から成っています。

1.歩ける人は死なない

2.がんばって背筋を伸ばそう

3.人は病気ではなく、老化して死ぬ

4.がんと闘うな、はほんとうか?

5.一人でも、いや一人のほうが大往生できます

 

本書の前半では、「歩くこと」と「生きること」の深い関係が語られます。主なポイントは以下の通りです。

◆ 歩けるうちは、人はそう簡単に死なない

◆ 寝たきりになることが、不健康寿命を延ばす

◆ 病院での過剰な延命が、苦しさを増やす

◆ 背筋を伸ばし、体を立てることが生きる力になる

◆ 老いは病気ではなく、自然なプロセスである

 

この本の中盤では、「医療との付き合い方」が鋭く問い直されます。主なポイントは次の通り。

◆ 抗がん剤をやめた方が、長く生きるケースもある

◆ がんと「闘う」ことが、必ずしも幸せにつながらない

◆ 医療は万能ではなく、選び方が重要

◆ 認知症は「長生きしたい人」にとっては結果論的に “勝ち組”

◆ 病院中心の最期が、必ずしも最善ではない

 

本書の後半では、「どこで、誰と、どう死ぬか」というテーマに踏み込みます。主なポイントは以下の通りです。

◆ 家で最期を迎えるという選択

◆ ひとり暮らしは、むしろ楽に死ねる

◆ 家族に迷惑をかけないための医療の選び方

◆ 医療を減らすことで、生活の質は上がる

◆ 最期まで「目一杯生きる」ことができ

 

この本を読んで感じるのは、「死に方」は「生き方」の延長線上にあるという、当たり前でいて見過ごされがちな事実です。長生きすることが目的ではなく、「どう生ききるか」「どう最期を迎えるか」を自分で選ぶ。ー その覚悟と視点を、静かに、しかし力強く与えてくれる一冊です。

人生の後半をどう生きるか。医療とどう付き合うか。そして、「棺桶まで歩く」ために、今日から何を大切にするか。そんな問いを、自分自身に投げかけたい方に、ぜひ手に取ってほしい本です。

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では、今日もハッピーな1日を!【3973日目】