書評ブログ

『観光 ”未” 立国~ニッポンの現状~』

「果たして、我が国の観光産業はきちんと稼げているのでしょうか? 残念ながらその答えは否。」と述べている本があります。

 

本日紹介するのは、大学を卒業後、リクルートに入社し広告営業、企画、雑誌の編集に携わり、2005年、東京ガールズコレクションの立ち上げから関わり、イベントプロデュースやPR、社長業を兼任、2011年より吉本興業で海外事業、エンターテイメント事業のプロデュースを担い、2016年に株式会社anを設立、企業&中央官庁、自治体へのマーケティング、PRコンサルタント、施設やイベントからメディアまでの様々なプロデュース業を担って、2018年より立教大学経営学部客員教授、2019 年よりナイトタイムエコノミー推進協議会の理事を務める永谷亜矢子さんが書いた、こちらの書籍です。

 

永谷亜矢子『観光 ”未” 立国~ニッポンの現状~』(扶桑社新書)

 

この本は、「観光立国」とは程遠い状況を前に危機感を抱き、その土地の文化を理解できる体験価値の高いコンテンツを提供し、多様化するニーズにきめ細かく応える仕組みを整え、観光業の従事者にきちんとお金が落ちる「健全な観光経済圏」を成立させるための解決策やアイデアを提示している書です。

 

本書は以下の4部構成から成っています。

1.観光業界は本当に稼げているのか

2.観光行政の慣習は変わらないのか

3.今すぐ取り入れるべき7つの処方箋

4.誰が「真の観光立国」の担い手になるのか?

 

この本の冒頭で著者は、「個人旅行全盛の時代に観光コンテンツが追いついていない!」と述べています。

 

本書の前半では、「観光業界は本当に稼げているのかについて以下のポイントを紹介しています。

◆ デジタル上の情報が整備されていない

◆ SNS活用ができていなくて、GoogleマップやOTA対応もできていない

◆ 価値に見合う値付けができていない、文化財の入館料が安すぎる

◆ 観光業界で働く人の給与が安くて担い手が不足、ランドオペレーターも不足

◆ 二次交通がなく、「怖くて地方に行けない」

 

この本の中盤では、「観光行政の慣習は変わらないのかについて解説しています。主なポイントは次の通りです。

◆ 補助金事業は単年度制で、「持続性」を重視できない

◆ 補助金申請の「書類作成」が優先されて、事業経験者がいない

◆ 約7割を占める東アジアからの訪日リピーター観光客をターゲットにすべき

◆ コンテンツ造成が重視され、プロモーションが足りていない

◆「伝える力」を強くする

 

本書の後半では、「今すぐ取り入れるべき7つの処方箋および「誰が真の観光立国の担い手になるのか?」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。

◆ 伝える力の向上

◆ マネタイズを恐れない

◆ 遊休時間や空き家・空き地を活用

◆ 祭りを継続させるために ”清貧思考” から脱却

 

◆ デザインの大切さと体験価値の追求

◆「地域の一次産業×観光」という視点

◆ 建築ツーリズム、伝統工芸に見る「文化財×観光」

◆ 地域の人からも旅行者からも、長期にわたって愛される施設づくり

 

この本の締めくくりとして著者は、「観光を生かすも殺すも、売り方次第、見せ方次第。」と述べています。

 

あなたも本書を読んで、観光未立国・ニッポンの現状を知り、真の観光立国を目指す地方の取り組みに参加してみませんか。

 

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では、今日もハッピーな1日を!【3714日目】