「人間の本質的な老化は “感情の老化” から始まる」――そんな鋭い視点で、高齢者を診続けてきた精神科医が提示する新しいアンチエイジング論があります。
本日紹介するのは、1960年大阪府生まれ、東京大学医学部卒業後、同附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、現在は精神科医、国際医療福祉大学教授、ヒデキ・ワダ・インスティテュート代表、一橋大学国際公共政策大学院特任教授、川崎幸病院精神科顧問を務める老年医学の第一人者・和田秀樹(わだ・ひでき)さんが書いたこちらの書籍です。
和田秀樹『人は「感情」から老化する 脳の若さを保つ習慣術』(祥伝社黄金文庫)
本書は以下の6部構成から成っています。
1.「感情の老化」とは何か?
2.何もやる気にならない人、何でも心から楽しめる人
3.いつもイライラしている人、のんびりと心静かな人
4.落ち込んだら長い人、パッと切り替えのできる人
5.物忘れのひどい人、記憶力が衰えない人
6.年を取ることが不安で仕方ない人、年を取っても気楽に生きられる人
この本の冒頭で著者は、40代から始まる「感情の老化」にこそ注意を向けるべきだと強調します。放置すれば体力や知的機能の衰えを招き、健康・脳・見た目の老化を早めてしまう。逆に感情を若く保てば、心身ともに若さを維持できる――これが著者の結論です。
本書の前半では、第1部から第3部にかけて「感情の老化」がいかに日常生活に影響するかを解説。主なポイントは以下の通りです。
◆「年甲斐もない」という言葉は最高の褒め言葉である
◆感情の老化は無気力やイライラとして表れる
◆心の老化は外見や脳機能の老化よりも先に始まる
◆愚痴をため込むよりも、外に出すことで心は若さを保てる
◆好きなことや小さな楽しみを意識的に生活に取り入れることが重要
本書の中盤では、第4部から第5部にかけて「感情と気分転換・記憶」の関係を詳述しています。主なポイントは以下の通りです。
◆落ち込みが長引く人は心の老化が進んでいる証拠
◆気分をパッと切り替える習慣が脳を若く保つ秘訣
◆「ごますり」を気持ちよく感じたら、感情の老化が始まっているサイン
◆感情が老け込むと記憶力や集中力の低下につながる
◆新しいことに挑戦し続ける感情が、脳を若く保つ最高のトレーニングになる
本書の後半では、第6部として「老いへの不安」との向き合い方が語られます。主なポイントは以下の通りです。
◆年を取ることを過度に不安がると、心身の老化が加速する
◆気楽に生きる姿勢が、若さを維持する最大の秘訣
◆「楽しむ力」を失わない人は、年齢に関わらず生き生きしている
◆不安を共有し合える人間関係が、心の老化を防ぐ
◆年齢を重ねても「自分らしく生きる」感情が最大の防御になる
この本の締めくくりとして著者は、「感情を若く保つことこそが、健康・脳・見た目を若々しく保つ最初の一歩だ」と述べています。単なる健康法や脳トレではなく、“心の持ち方”を見直すことの大切さを教えてくれる実践的な一冊です。
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では、今日もハッピーな1日を!【3827日目】