料理が週替わりで、地元のレストランが提供しているという、鎌倉の「まちの社員食堂」を作り、新しい地域活性化のコンテンツになっている取り組みを紹介している本があります。
本日紹介するのは、慶應義塾大学環境情報学部を卒業し、ソニー・ミュージック・エンタテインメントに入社したのち、学生時代の友人と面白法人カヤックを設立、東証マザーズに上場させた同社代表取締役CEOの柳澤大輔さんが書いた、こちらの書籍です。
柳澤大輔『鎌倉資本主義』(プレジデント社)
この本は、「面白い社会を作っていきたい」という思いを実現するためにできた面白法人カヤックの活動や仕事、そして目指す地域や社会を紹介している書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.資本主義が面白くなくなった?
2.何をするか?誰とするか?どこでするか?
3.なぜ人はカマコンに夢中になるのか?
4.鎌倉資本主義をかたちにすると?
5.地域資本主義はどこにいくのか?
6.テクノロジーで何ができるか?
この本の冒頭で著者は、「面白さ」を「多様性」と考えている、というカヤックのポリシーを説明しています。
地方都市に行くと「リトル東京」のようなところが少なくなく、日本中が東京にならなくてもいい、と述べています。
カヤックが面白いと考えるのは、次のような社会です。
◆ 多様性が認められる社会
◆ 一人ひとりが輝く社会
◆ 一社一社が特徴的である企業社会
◆ 地域ごとに特徴がある地域社会
著者は、地方創生に取り組むことは、いま資本主義が抱えている課題に取り組むことそのものではないか、という問題意識を持っています。
そして、いま資本主義が直面している課題は以下の2つになると述べています。
◆ 地球環境汚染
◆ 富の格差の拡大
それはGDPだけが「豊かさの指標」になる仕組みに原因があり、職住近接のワークライフスタイルや地産地消の食材を楽しむこと、あるいはコミュニティでつながりが生まれて、金銭の介在しないプロジェクトを立ち上げて、自分の住むまちをよくしていく活動などを、GDPの増加に貢献しない活動として推奨しています。
著者は、カヤックをはじめ鎌倉に拠点を置くベンチャー企業の経営者が、鎌倉をもっと元気にすることを目的に、地域団体「カマコン」を立ち上げたことを紹介しています。
著者の柳澤さんやカヤックが目指すコンセプトは以下のようなものです。
◆ 「面白い」には人を動かす力がある
◆ 精神的な豊かさや幸福感を増やしていく
◆ 鎌倉資本主義(地域を中心とした新しい資本主義のかたち)
◆ 地域資本(地域経済資本・地域社会資本・地域環境資本)という考え方
◆「何をするか」「だれとするか」「どこでするか」が幸せ度とリンクする
◆ ポジティブ思考とブレストの力
◆ まずはまちを応援する
◆ 尖った地域オリジナルコンテンツをつくる
◆ 地域コミュニティというプラットフォーム
◆「つながるまち」鎌倉
◆ 地域通貨の可能性とブロックチェーン技術
◆ 人のつながりの可視化
◆ 地域と人と企業を結びつける移住サービス
◆ フォーマットを輸出する
◆ 企業は、単に利益を出せばよいのではなく、社会をよりよくしていくことに関与する時代
この本は、人の豊かさや幸せとは何か、という原点を、地域社会をよりよくしていく活動の中で考えていくためのガイドになります。
あなたも本書を読んで、「鎌倉資本主義」のコンセプトを学び、自らの生き方や人生を問い直してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!