人生100年時代になり、50歳という人生の折り返し地点で自分を見つめ直し、軌道修正することは、ハーフタイムで戦略の立て直しをすることに似ています、と提唱している本があります。
本日紹介するのは、1960年静岡県生まれで、教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする明治大学教授の齋藤孝さんが書いた、こちらの新刊新書です。
齋藤孝『人生後半の幸福論 50のチェックリストで自分を見直す』(光文社新書)
この本は、人生100年時代において、50歳という人生の折り返し地点で、「人生をどう生きるか」を考え直さざるを得なくなっている中で、「自分はどういう生き方をすることで幸せを感じられるか」という価値観の再確認をすることの大切さを説いている書です。
本書は以下の3部構成から成っています。
1.人生100年時代を生き抜く技法
2.人生後半のチェックリスト
3.「いろいろあった人」のための幸福論
この本の冒頭で著者は、100年時代の人生を以下の4つに分けて考えることを提唱しています。
第1期: 生まれてから25歳まで・・・育成期
第2期: 25歳から50歳まで・・・・活性期
第3期: 50歳から75歳まで・・・・円熟期(黄金期)
第4期: 75歳以降・・・・・・・・・自由期
これは、五木寛之さんが紹介している古代インドの思想に基づいた人生の4つのライフサイクル(①学生期・②家住期・③林住期・④遊行期)に近い考えかたであり、また私が『定年後不安』(角川新書)で提唱した「トリプルキャリア」ともコンセプトが重なります。
トリプルキャリアの考え方では、生涯現役で働き続けることを目指すので、最後の転換期が75歳プラスマイナス5歳とし、70歳から80歳の間の10年間のどこかを想定しています。
本書では、第3期の50歳から75歳までを「人生の黄金期」と位置付けていて、この期間の人生の充実度を最も重視しています。
辻に、人生後半のチェックリストとして、50の具体的なチェックのポイントを挙げています。主なものは次の通りです。
◆ 最近、感動していますか?
◆ 心が動いたことを何かに書きとめていますか?
◆ どんなときに自分がイキイキできるか。知っていますか?
◆ 「ワクワクすること」を増やせていますか?
◆ 「好きなもの」「好きなこと」をどれだけ挙げられますか?
◆ 生きがいとはなにか、考えたことはありますか?
◆ あなたの考える「やりがいのある仕事」とは何ですか?
◆ 自分の「機嫌をよくする」方法、自覚していますか?
◆ 「検索力」に自信がありますか?
◆ ひとつのことが長続きしますか?
◆ 若手の活躍を、素直に褒めることができますか?
◆ 自分を笑い飛ばせますか?
◆ もう一度、学び直してみたいことがありますか?
◆ 何かを「伝える」「遺す」ことを意識していますか?
◆ 身軽になれ、「本当の自分」を生きよ
この本の最後には、いろいろあった人のための「幸福論」が記されています。
とくに50歳~75歳のゴールデンエイジでは、次の3本柱が重要だと述べています。
1.再び力(出会い直し、学び直し)
2.初物力(新しい刺激)
3.沼の力(ハマる、没入する)
著者は、黄金期の考え方として、ソクラテス、孔子、ゲーテを人生のロールモデル(手本)として、参考にしているそうです。
また、この本の途中には、「ひと休み」として、コラムが挿入されています。以下のようなテーマで、興味深く読めます。
◆ 好きなものがつながる状態
◆ 求められていることに応える
◆ 簡易呼吸法で自分を整える
◆ 「沼」の住人
◆ 俳句・短歌文化の広がり
あなたも本書を読んで、人生後半の幸せについて、考え直してみませんか。
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