「自分がどのような世界に生きているのかをまちがって理解しているひとも、自分や家族の人生について正しい判断をすることができないでしょう。」と述べ、「正しい地図を持っていることはとてつもなく有利です。これが、事実(ファクト)にこだわらなければならない理由です。」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、1959年生まれ、国際金融小説『マネーロンダリング』でデビューし、『言ってはいけない』など多くのベストセラーを刊行している作家の橘玲さんが書いた、こちらの書籍です。
橘玲『事実 vs 本能 目を背けたいファクトにも理由がある』(集英社)
この本は、私たちが「ヒトの脳が狩猟採集の旧石器時代に生き延びるように “ 設計 ” されており、“ とてつもなくゆたかで平和な時代 ” のリベラルな価値観とさまざまな場面で衝突するという “ 不愉快な事実(ファクト)”に直面している」ことを説いている書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.ポピュリズムという「知識社会への反乱」
2.この国で「言ってはいけない」こと
3.私たちのやっかいな習性
4.「日本人」しか誇るもののないひとたち
5.ニッポンの不思議な出来事
6.右傾化とアイデンティティ
この本の冒頭で著者は、PIAAC(ピアック)という先進国の学習到達度調査(PISA)の大人版(16歳~65歳)の結果について解説しています。
「国際成人力調査」として2013年に概要がまとめられているものでは、日本は世界でトップではあるものの、以下のような衝撃的な事実が明らかになりました。
◆ 日本人のおよそ3分の1は日本語が読めない
◆ 日本人の3分の1以上が小学校3~4年生以下の数的思考力しかない
◆ パソコンを使った基本的な仕事ができる日本人は1割以下しかいない
◆ 65歳以下の日本の労働力人口のうち、3人に1人がそもそもパソコンを使えない
以上、日本人の読解力や数的思考力、ITスキルがこの程度のものであることは、教育関係者の間では常識で、それで何の問題もないと考えられている、というのです。
著者が繰り返し述べているのは、「私たちは『知識社会化、リベラル化、グローバル化』という巨大な潮流に翻弄されている」という事実(ファクト)です。
そして事実(ファクト)はつねに好ましいものであるとはかぎらず、保守ないしリベラルの価値観に沿っているわけでもありません。
本書ではさまざまな目を背けたいファクトに注目し、「本能」はいつも、世界を正しく見ることを邪魔している、と指摘しています。
あなたも本書を読んで、残酷な知識社会を生き抜く「正しい地図」を手に入れてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!