「本当に必要なのは現場で働く一人ひとりの『働きがい』を創出するための改革です。」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、リクルート出身で、2008年に「人を大切に育て活かす社会づくりへの貢献」を志に起業して、現在は、人材育成の専門家集団・株式会社FeeWorks代表取締役の前川孝雄さんと株式会社働きがい創造研究所・社長の田岡英明さんとの共著である、こちらの書籍です。
前川孝雄・田岡英明『もう転職はさせない! 一生働きたい職場のつくり方』(実業之日本社)
この本は、「今こそ、中小企業にとって大きなチャンスが訪れている」という問題意識のもとで、人材難の時代に、「誰かの役に立つこと」によって感じられる「働きがい」を大切にする経営に改革するヒントをたくさん出している書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.業績好調でも、経営難に陥る時代
2.「働きやすさ」の勝負に出ると必ず失敗する
3.「働きがい」を創れば、中小企業こそ発展する
4.「採れない」「辞める」「育たない」組織の課題
5.「働きがい」あふれる会社を創る5つのステップ
6.会社を変えることにブレーキをかける問題への対処法
この本の冒頭で著者は、日本は空前の「完全雇用状態」になっていて、もともと中途採用が多く、人の出入りが激しい中小企業においては、転職は一層自然なことになっている、と指摘しています。
そして人口減少、労働力人口の減少が、中小企業の経営危機に直結していて、外国人雇用という行き当たりばったりの施策では危機は回避できない、と著者は言います。
また、初任給引き上げや残業削減など「働きやすさ」を打ち出して採用しても、もっといい条件の先へ転職して辞めていき、うまくいかないと本書では指摘しています。
そうした中で、この本では「働きがい」を創れば中小企業は発展する、として以下のポイントを挙げています。
◆ 「ライフ」そのものいをいかに充実させ、その中で「ワーク」をいかに位置づけていくか
◆ 会社から個人の方へパワーシフト
◆ お客様に対する社会貢献、自己成長の欲求に応える
◆ 新しいビジョンを示し、共感を得る
◆ 若者は将来の成功ではなく、今の「幸せ」
◆ 内発的動機づけによる「やる気」の醸成
◆ 「管理」から「支援」へ
◆ 目的共有+有能感+自己統制+上司の支援
本書の後半では、「働きがい」溢れる組織に共通する要素として、次の7つを紹介しています。
◆ 経営者の思いが言語化されている
◆ 経営者の思いに共感した人を採用し、その思いが共感され続けている
◆ 経営者の視点が社員同士の関係性に向いている
◆ 社員それぞれの役割が明確である
◆ ワンマン型組織ではなく、サークル型組織が実現されている
◆ モチベーション向上施策が効果を発揮している
◆ 人を育てる組織風土がある
そして、「働きがい」溢れる会社を作る5つのステップを以下の通り、挙げています。
1.「相互理解」~経営者と社員の頭と心の中をガラス張りにする~
2.「動機形成」~経営者の思いと社員の思いを共振させる~
3.「協働意識」~会社はみんなで支え合い、より善い目的に向けて共に働く場~
4.「切磋琢磨」~重視すべきは即戦力人材ではなく、学び続ける人材・風土
5.「評価納得」~職務と成果貢献に応じて粗利を公平に分け合う
この本の最後には、例えば「管理職が一般社員と変わらない意識で不満ばかり並べる」など、全部で11の問題を採り上げ、その対処法を解説しています。
実戦的な対処法で、中小企業に見られる問題の事例なので、参考になります。
あなたも本書を読んで、「給料」より「働きがい」という時代に、転職をさせないような「一生働きたい職場」のつくり方を学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!