「あなたの“WHY”は何か?」――このたった一つの問いが、人生も、仕事も、組織も、根底から変えていく原動力になります。
本日紹介するのは、2009年にTEDトークで「WHYから始めよ!」という概念を世界中に広めたサイモン・シネックさんと、チームメンバーであるデイビッド・ミードさん、ピーター・ドッカーさんが、“自分のWHYを実際にどうやって見つけるか” をステップ・バイ・ステップで解説した実践ガイドです。
サイモン・シネック、デイビッド・ミード、ピーター・ドッカー『FIND YOUR WHY あなたとチームを強くするシンプルな方法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
この本は、自分のWHY(存在意義)を見出すことで「朝、目覚めて仕事に行きたくなる世界」を実現するために書かれた、“WHY探求” の決定版です。単なる自己啓発ではなく、個人やチームで実行可能なプロセスとして体系化されているのが特長です。
“情熱を持て” “好きなことを仕事にしろ” というアドバイスが空回りしていた人にこそ、本書のステップは力強い道しるべになります。
本書は、以下の7部構成から成り立っています。
1.WHYから始めよ!
2.WHYを見つけよ!
3.個人のためのWHYの見つけ方
4.組織のためのWHYの見つけ方 Part1 準備編
5.組織のためのWHYの見つけ方 Part2 実戦編
6.HOWを述べよ!
7.立場を明らかにせよ!
この本の冒頭で著者は、「情熱を持ちたいと思っても、どこから始めたらいいかわからなかった。だからこそ、WHYが重要なのです」と語っています。WHYを起点にすれば、自分の意思決定に軸が生まれ、迷いや不安がなくなっていくのです。
本書の前半では、「WHYから始めよ!」「WHYを見つけよ!」そして「個人のためのWHYの見つけ方」という3つのパートを通じて、WHYの意義と個人がそれをどう探し出せるかについて解説されています。主なポイントは以下の通りです。
◆ WHYとは“何をするか”ではなく、“なぜそれをするのか”という根源的な問いである
◆ 人生の転機や困難の中に、自分のWHYのヒントが隠れている
◆ WHYを探るには、他者とともに語り、思い出を共有しながら“パターン”を見出すのが有効
◆ WHYが明確になると、判断力が増し、モチベーションが自走し始める
◆ WHYの言語化には、直感と客観性のバランスが求められる
この本の中盤では、「組織のためのWHYの見つけ方 Part1 準備編」「Part2 実戦編」に焦点があてられ、チーム全体でWHYを共有するためのワークショップ形式が紹介されています。主なポイントは次の通りです。
◆ 組織のWHYは「創業者の原体験」に宿ることが多い
◆ 過去の成功体験ではなく、誇りを感じた瞬間に注目する
◆ WHYを見つける対話は、心理的安全性のある空間で行う
◆ ワークショップでは「聞き役」と「語り役」に役割を分けることが成功の鍵
◆ WHYが組織に浸透すると、リーダーシップが自然発生的に生まれてくる
本書の後半では、「HOWを述べよ!」「立場を明らかにせよ!」という実践パートに入り、WHYを日々の行動に落とし込む方法が提示されます。主なポイントは以下の通りです。
◆ WHYは“行動指針(HOW)”とセットで機能する
◆ HOWは「自分が大切にしている価値観や強み」の中にある
◆ WHYとHOWが明確だと、迷いや葛藤が激減する
◆ どんな役割にいても、自分のWHYを軸に立場を取ることで、影響力が増す
◆ WHYを語り、貫くことで、周囲との信頼関係も構築されていく
この本の締めくくりとして著者は、「『私もやってみたい』と手を挙げる人が増えれば、私たちが描く世界はきっと実現できる」と述べています。
WHYを “見つけて終わり” ではなく、“生きるために使う”。その視点と手順がすべて詰まった、まさに “人生と組織を変える一冊” に仕上がっています。
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では、今日もハッピーな1日を!【3811日目】