統計手法の中でもビジネスで比較的多く利用されている回帰分析について、Excel を使って分かりやすく解説している本があります。
本日紹介するのは、海運業、国際複合輸送業などの勤務を経て、統計の大家である故・上田太一郎氏に師事し、現在はWebセミナー、企業向け研修などを通じて、ビジネスにおけるデータ活用や統計解析の普及に務めている米谷学さんが書いた、こちらの書籍です。
米谷学『7日間集中講義! Excel 回帰分析入門:ツールで拡がるデータ解析&要因分析』(オーム社)
この本は、Excel の操作や回帰分析の知識についてだけでなく、「伝える」手段としての回帰分析の浸透を真の狙いとして書かれた書です。
本書は以下の7日間集中講義の形式で、9部構成から成っています。
1.(序章)回帰分析とは
2.【第1日】データ活用と予測をする上で知っておくべきこと
3.【第2日】散布図と相関関係
4.【第3日】単回帰分析
5.【第4日】重回帰分析
6.【第5日】カテゴリーデータを含む重回帰分析
7.【第6日】線形判別分析
8.【第7日】ロジスティック回帰分析
9.(付録)回帰分析の補足資料
この本の冒頭で著者は、回帰分析という手法をビジネスで応用する場合、次の2つの目的がある、と述べています。
◆ 数値予測
◆ 要因分析
また、回帰分析の意義が理解できれば、次に挙げる大きなメリットを享受できる、と著者は説明しています。
◆ 同じデータを基に回帰分析を実行すれば、全員が同じように傾向を理解することができる
◆ 数値予測の根拠が共有しやすくなる
◆ 数値予測の方法や過程が継承しやすくなる
続いて、相関関係と散布図について、そして単回帰分析について、ビジネスでどのように活用するかが記されています。
さらに、説明変数が2個以上の回帰分析である「重回帰分析」について、説明変数にカテゴリーデータと数値データが混在している場合の分析についても解説しています。
本書の後半では、0か1の2値を目的変数としたとき、判定値(推定値)が0を下回ったり、1を上回ったりする「線形回帰分析」を説明、さらに推定値が0から1の範囲に収まる手法である「ロジスティック回帰分析」について解説しています。
また「ロジスティック回帰分析」は、以下の2種類に分かれます。
◆ 二項ロジスティック回帰分析
◆ 多項ロジスティック回帰分析
さらに分析に使う「ソルバー機能」について、「ゴルシーク機能」と対比して説明しています。
この本の巻末には、「回帰分析の補足資料」が付けられていて、Excel 画面や集計表の事例があり、参考になります。
この本は、文系出身者にはハードルの高い統計学や Excel 機能を使った様々な回帰分析について、ビジネスでの応用に絞って、分かりやすく実践的に解説した本でお薦めです。
あなたも本書を読んで、Excel のツールで拡がるデータ解析や要因分析など、ビジネスで活用するための回帰分析の入門としてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!