「残念な考え方は『確かにそうなのかも』『間違いではないかな』『そういうこともあるのかも』と思わず同意してしまいそうになるところに潜んでいます。」と指摘し、著者の経験も踏まえて様々な実例も紹介しながら、「残念な考え方」について論じている本があります。
本日紹介するのは、一橋大学卒業後、日本ロレアル株式会社に入社してマーケティングを担当、日系化粧品会社に転職後は経営企画、新規ブランド開発、海外進出などを手がけ、2010年に独立して現在は株式会社東風社 代表取締役、中小企業診断士としてコンサルティングや研修・セミナーなどを提供している幸本陽平さんが書いた、こちらの書籍です。
幸本陽平『脱!残念な考え方』(自由国民社)
この本は、ロジカルな考え方を学ぶにあたり、「これをしてはいけない」、すなわち誤ったやり方=「残念な考え方」を起点として紹介している書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.ロジカルであるための三つの条件 残念な考え方から脱却しよう!
2.残念な考え方 つながっていない
3.残念な考え方 深く考えていない
4.残念な考え方 広く考えていない
5.ロジカル思考をどう生かすか
この本の冒頭で著者は、思考が「つながっていない」「浅い」「狭い」ために不十分な考え方をしてしまい、誤った結論に達してしまうこと、そのような思考プロセスを「残念な考え方」と呼んでいます、と述べています。
そして、「残念な考え方」およびそれに対してどう考えればよいかを本書では15パターン紹介しています。
本書の前半では、残念な考え方から脱却するため、ロジカルであるための三つの条件を以下の通り挙げています。
◆ つながっている(演繹/帰納)
◆ 深く考えている(自信を持って具体的に言い切る)
◆ 広く考えている(「もれなく、ダブりなく」考える)
続いて、「つながっていない」という残念な考え方として、次の5つを紹介し、どうすればロジカル思考になるかを解説しています。
1.反対向きにつなげてしまう
2.良い結果だけ期待してしまう
3.誤った原因に飛びついてしまう
4.弱い原因を唯一と決めつけてしまう
5.目的につながらない行動をとってしまう
この本の中盤では、「深く考えていない」という残念な考え方として、6番目から10番目までの5つの考え方と、それをロジカルな考え方に変える方法を解説しています。
6.抽象的な言葉を使ってしまう
7.意識の問題にしてしまう
8.わずかな経験を重視しすぎてしまう
9.一般論や多数派に流されてしまう
10.現実と願望を混同してしまう
本書の後半では、「広く考えていない」という残念な考え方として、11番目から15番目までの5つの考え方と、それをロジカルな考え方に変える方法を説明しています。
11.思考に抜け漏れや重複が発生してしまう
12.一部のデータだけ見てしまう
13.比較対象が無く、単独で見てしまう
14.合計や平均が正しいと思い込んでしまう
15.思考を止めてしまう
この本の最後で著者は、「ロジカル思考をどう生かすか」という実践法について、以下の3つのポイントを提示しています。
◆ コミュニケーション
◆ 変化への対応
◆ 周囲を巻き込む
コミュニケーションについては、暗黙の了解を脱しどんな人とも通じあえることが重要です。
変化への対応としては、前例踏襲ではなく未来を自らの力で切り開くことが必要になります。
そして周囲を巻き込むことにおいては、独断で突っ走るよりも同意や共感を得て成果を出すことの重要性を説いています。
あなたも本書を読んで、「残念な考え方」として紹介している「ついやってしまう思考の落とし穴15」をしっかりと理解し、ロジカルシンキングを実践できるようにしていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2529日目】