書評ブログ

『大格差社会アメリカの資本主義』から学ぶ

「2015年にピケティの『21世紀の資本』がアメリカで特異な論争を巻き起こしてベストセラーになった背景にあるのは、日本とは比較にならないほどの大格差だ」と説いている本があります。

 

 

本日紹介するのは、10年以上の在米経験を持ち、リーマンブラザーズに勤務してウォールストリートを内部から知る金融経済アナリスト吉松崇さんが書いた、こちらの書です。

 

 

吉松崇『大格差社会アメリカの資本主義』(日経プレミアシリーズ)

 

 

この本は、ピケティの『21世紀の資本』という経済書の批判的検討に加えて、アメリカ社会に根付く政治思想、そして2008年の金融危機とその処方箋、さらには現在のアメリカ社会の政治状況を語っています。

 

 

本書は以下の7部構成から成っています。

 

 

1.現代アメリカのお金持ち

 

2.ウォール・ストリートという社会

 

3.リーマン・ブラザーズの内実

 

4.「格差」より「自由」を求めるアメリカ

 

5.格差は固定化されるか

 

6.格差をいかに解消するか

 

7.アメリカ「大格差社会」の行方

 

 

著者は、米国駐在10年の経験に加え、あのリーマン・ブラザーズに勤務した経験も持ち、まさにウォール・ストリートを内部から知る日本人金融関係者です。

 

 

本書の後半では、アメリカのリバタリアニズムの源泉がどこにあるのかについて、アメリカ史を振り返りながら考察しています。

 

 

そして、リバタリアンのピケティ批判や、リベラル派のピケティ評価と、さらにピケティ理論そのものの妥当性の検討も詳しく行われています。

 

 

この本の最後では、著者の吉松さん自身の現代アメリカ論が語られ、2016年11月に行われる米大統領選挙についても、ポピュリズムなどの諸思潮の動き選挙結果の見通しが述べられています。

 

 

あなたも本書を読んで、世界を動かす現代アメリカで広がる格差拡大と、それに対する大きな政治思想の動きについて、しっかりと理解して今後の方向性を考えていきませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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