書評ブログ

『人生100年、豊かに生きるための長期投資の教科書』

「社会的価値の高い企業を見極めて出資しつづける長期投資こそ、人生100年時代の資産形成に有効なのはもちろん、ビジネスエリートにとって必要な資本家マインドを学べる最良の教科書だ」と説いている本があります。

 

 

本日紹介するのは、京都大学法学部卒、ロンドンビジネススクール・ファイナンス学修士修了、1992年日本長期信用銀行に入行、長銀証券、UBS証券を経て農林中央金庫に入庫、「長期源厳選投資ファンド」の運用を始め、現在は農林中金バリューインベツトメンツ株式会社(NVIC)常務取締役兼最高投資責任者(CIO)奥野一成さんが書いた、こちらの書籍です。

 

奥野一成『人生100年、豊かに生きるための長期投資の教科書』(ニューズピックス)

 

 

この本は、日本が現在の窮状から脱する方法の1つとしての、「長期投資」の有効性を伝え、企業が社会に対してもたらしている価値を分析し、長期的にその企業の成長に投資するという考え方を解説している書です。

 

 

本書は以下の4部構成から成っています。

 

1.そもそも「長期投資」とは何か

2.プロが見ている「強い企業」3つのポイント

3.「やってはいけない」3つのこと

4.「よくある疑問」を徹底解説【実践編】

 

 

この本の冒頭で著者は、「優良企業のビジネスを分析する際の視点は、自分の仕事でも『これから先、いかに価値を生み出していくか』を考える際に、大木に武器になる」と述べています。

 

 

本書の前半では、「そもそも長期投資とは何か」について、以下のポイントを説明しています。

 

◆ 投機を投資と誤解する日本人

◆ 株式市場は短期的には人気投票の場、長期的には価値の計測器

◆ 社会に価値を提供し続けるナイキは株価も上がり続けている

◆ 顧客の課題を発見し、解決することで得られる対価が「利益」

 

◆ 社会に価値を提供し続ける企業に投資して利益を得るのが資本主義の本質

◆ 100年生きるのは「お金が足りない」

◆ 株式投資のプロセスそのものが、ビジネスパーソンが社会を生き抜く上で不可欠な「学び」になる

◆ 経営者の目線でものを見て、日々の業務への問題意識の持ち方も変わる

 

◆ 投資を通じで「労働者2.0」を目指す

◆「自社が解決している課題とは何か」を考える

◆ 顧客の抱える問題を解決するには、ビジネスモデルや産業構造を熟知しなければならない

◆ 投資の旨味は「福利」にあり

 

この本の中盤では、プロが見ている強い企業3つのポイント」およびやってはいけないつのこと」について解説しています。主なポイントは次の通り。

 

◆ 長期投資に適した企業とは、「営業利益」が出続ける企業

◆「営業利益」が出続ける「構造的に強靭な企業」が持つ3つの要素は、①高い付加価値、②高い参入障壁、③長期潮流

◆ 高い付加価値とは、世の中に本当に必要とされていること

◆「価値」は時代とともに変化する可能性がある

 

◆ 圧倒的な競争優位性は、「高い参入障壁」を形成する

◆「長期潮流」とは、普遍的で不可逆的なもの

◆ 付加価値とコストの非対称性

◆ ビジネスとは、非対称であるからこそ大きな利益が出る

 

◆「構造的に強靭な企業」の株式を長期的に保有することは、プラスサムゲーム

◆ 短期的に儲ける方法はない

◆「配当」は利益確定の一種で、福利効果を損なう

◆ 企業価値が上がらなければ、長期的に株価が上がることはない

 

◆ 長期投資を阻む3つの壁は、①原資、②恐怖、③利益確定

◆ 投資はフローで行うもの(コツコツ積み立てる)

◆ 私たちは「消費帝国」に生きている

◆「AIが選ぶのならも違いない」と信じ込む人々

 

◆ 個人投資家の強みは「利益確定しなくてもいい」こと

◆ 配当を求めて投資する人は、常に利確をしている

◆ 配当は福利を殺す

◆ 時間を味方につけて、企業価値が複利的に増大していくことを楽しむ

 

 

本書の後半では、「よくある疑問を徹底解説【実践編】」として、投資に関する「よくある疑問」に答え、長期投資を通して付加価値の高い人材になるにはどうすればよいかを総括しています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ 中短期投資というゼロサムゲームに参加すると損

◆ 現在は、債券投資やFX投資では儲からない

◆ 初心者はインデックス投資が一つの解

◆ TOPIXより米国株S&P500に投資するほうがいい

 

◆ 日本人は、「投資家マインド」や「労働者2.0」を持つこと

◆ 貧富の差は資本主義が作っているのではなく、その人自身が作る

◆ 組み合わせにより、誰かにとって付加価値のある人間に

◆ 長期潮流については歴史を学ぶこと

 

 

あなたも本書を読んで、「長期投資」を学び、投資家マインドを持ち、構造的に強靭な人間になって、厳しい世の中でも活躍できる人材を目指してみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2936日目】