「“頑張れば売れる時代は終わった。勝つための兵法が必要だ”」――そんな切実なメッセージとともに、2500年の知恵『孫子の兵法』を現代経営に活かす指南書があります。
本日紹介するのは、「孫子兵法家」として中小企業の現場で戦略を実践してきた経営コンサルタントの長尾一洋さんによるこちらの書籍です。
長尾一洋『決定版 小さな会社こそが勝ち続ける孫氏の兵法経営戦略』(明日香出版社)
この本は、小さな会社が不確実性の高い時代を勝ち残るために、古典『孫子』の知恵をどう活かすかを、経営実践の観点から解説した戦略書です。
本書は以下の13部構成から成り立っています。
1.計篇 勝算のある経営をしよう
2.作戦篇 経営には意図がなければならない
3.謀攻篇 最上の経営戦略を考える
4.軍形篇 勝つためには勝つ体制を作る
5.勢篇 経営に勢いをつけよう
6.虚実篇 敵を意のままに動かして経営を有利に進める
7.軍争篇 不利を有利に変える経営
8.九変篇 変化に強い経営を目指そう
9.行軍篇 組織運営の要諦を押さえよう
10.地形篇 人材育成、部下指導を考える
11.九地篇 窮地にある時どう動くべきか
12.用間篇 情報戦略が死命を制する
13.火攻篇 勝算のない経営で火傷をしないように
この本の冒頭で著者は、「時代が変わるときこそ、原点に立ち返るべきだ」と述べ、2500年にわたり語り継がれてきた『孫子』の教えが、現代経営にこそ通用することを力強く訴えています。
本書の前半では、1~4部において、「勝つ経営とは何か?」という原点に立ち返りながら、計画、作戦、戦略、体制づくりの重要性が語られます。主なポイントは以下の通りです。
◆ 頑張るだけではなく「勝てる計算」ができているか
◆ 資金・時間・人材を消耗せず、勝ち筋を読む準備
◆ 最善の戦略とは“戦わずして勝つ”仕組みのこと
◆ 勝てる体制とは、常に目的と手段が一致していること
本書の中盤では、5~9部において、「状況を有利に導く工夫」や「変化への柔軟性」、さらには「組織をどう動かすか」といった戦術的視点が展開されます。主なポイントは次の通り。
◆ 流れや勢いを“仕掛けて”作る経営戦術
◆ ライバル企業の強みを“空振り”にさせる虚実の使い方
◆ 地道な戦いでも、意図的に“優位な場所”を確保する
◆ 環境が変われば方針を即時に変える“変化対応力”
◆ 人を動かす組織運営とは「情報・判断・実行」の明確化
本書の後半では、10~13部において、「人材育成と部下指導」「窮地での動き方」「情報戦略」「リスク回避の教訓」が深堀りされ、戦略から戦術、そして現場運用に至るまでの包括的な経営思想が説かれます。主なポイントは以下の通りです。
◆ 「地形」を読んで人材を適所に配する人事戦略
◆ 起死回生の場面で生きる“九地”の知恵
◆ 情報こそが「勝ち/負け」を左右する最大資産
◆ 無謀な挑戦ではなく、必勝のシナリオで仕掛ける
◆ “火傷”を防ぐための撤退判断とリスクマネジメント
この本の締めくくりとして著者は、「中小企業こそ、孫子の兵法を実践せよ」と強調し、小さな会社だからこそ持ち得る柔軟性とスピードを活かした戦略的思考の大切さを説いています。
競争が激化する市場環境において、生き残りを図る中小企業経営者、そして戦略に悩むすべてのビジネスパーソンにとって、本書はまさに「経営の兵法書」となることでしょう。
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では、今日もハッピーな1日を!【3796日目】