「何よりも部下に仕事を任せることは、部下を成長させます。部下が成長すると、チームも大きく成長します。」と述べて、部下に仕事を任せ、リーダーが元気になるための考え方と技術を伝えてくれる本があります。
本日紹介するのは、学校法人や外資系企業でリーダーに抜擢されたものの、生来の怒りっぽさからチームをまとめきれず、3度の降格を経験している、人財育成コンサルタント・上司向けコーチの吉田幸弘さんが書いた、こちらの書籍です。
吉田幸弘『部下に9割任せる!』(フォレスト出版)
この本は、多品種少量生産で、世の中の変化が激しく、みんなの生き方やライフスタイル、趣味嗜好がバラバラになっている時代に、「カリスマリーダーはいらない」と説き、部下の力を引き出す「サーバントリーダーシップ(=奉仕・支援型リーダーシップ)」が求められると提唱している書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.これからは「9割任せるリーダー」の時代
2.リーダーの「型」を身につける
3.「尊敬」よりも「信頼」ファースト
4.任せ上手なリーダーは部下を育てる
5.リーダーのための “ 自分を育てる ” 仕事術
この本の冒頭で著者は、「今はチームのメンバーと横並びのパートナーのような関係を作れるリーダーこそ、リーダーシップを発揮しています。」と述べています。
具体例として、「やってみなはれ」の松下幸之助、売るのが苦手でモノづくりに徹して後は藤澤武夫に任せた本田宗一郎、投手のことはすべて任せた落合博満などを挙げています。
また、居酒屋チェーン「塚田農場」が驚異のリピート率で急成長している要因について、各店舗に自由予算枠を与え、任せていることを挙げています。
本書では、任せ上手なリーダーになるテクニック(=「型」と「技術」)を大公開していますが、私がとくに共感し、実践しているポイントは以下の通りです。
◆ リーダーが過去の弱みや失敗を開示することで、チームの心理的安全性が高まり生産性も上がる
◆ ビジョンをストーリー化して部下の「自分ごと」にする
◆ 自分の不得意なこと、知らないことを部下に相談して信頼関係を構築する
◆ 結果が出なければ評価してはいけない
◆ 部下とコミュニケーションをとるときは、人によって差が出ないようにする
◆ 1 on 1ミーティングでは、部下に自分が話したいことを話してもらい、聴き役に徹する
◆ 指示を相談や質問の形式に変えると、部下が仕事を「自分ごと」として考えてくれる
◆ 仕事は「できるようになったから任せる」のではなく、「任せるからできるようになる」
◆ 全員が「成長ゾーン」の仕事に取り組んで、成長し続けられるようにする
◆ 部下の性格、能力、モチベーションの源泉を把握し、その人に合った頼み方をする
◆ 会議を見直すと時間のムダがぐっと減る
◆ 「鳥の目、虫の目、魚の目」を身に付け、ビジネスの全体像を把握し、流れを読む
◆ 綿密な計画よりもまず行動する
◆ 仮説思考を実践する
◆ リーダーは「直感」で決めていい
この本の最後で著者は、一度に全部やろうとせず、「成果と実現度」の観点から優先順位をつけて、「大きく変わる可能性のあること」や「自分が実現できそうなこと」から始めるようにするように促しています。
著者の吉田幸弘さんへ年間100回の講演・研修で多くのリーダーを指導・支援していて、この本で提示したテクニックを実践して成果を出しているリーダーがどんどん出てきています。
こちらの本も併せて読まれると、さらに理解が深まり、ぜひお薦めします。
あなたも本書を読んで、「部下に9割任せる」リーダーとして、大きな成果を出してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!