米中デジタル冷戦の舞台は、5G通信からAIへと移りつつあり、日本の技術力がAI戦争の鍵を握る、と述べている本があります。
本日紹介するのは、ITビジネスアナリストで、Revatron株式会社代表の深田萌絵さんが書いた、こちらの書籍です。
深田萌絵『米中AI戦争の真実』(扶桑社)
この本は、米中デジタル冷戦の舞台が5G通信からAIへ移行してきたことを指摘、解説している書です。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.米中AI戦争の幕開け
2.AI戦争の真実
3.AIの進化で実現する『1984年』の世界
4.牙をむいた中国のグレート・ファイアウォール
5.繰り広げられる米中の技術合戦
6.デジタル冷戦のカギは「暗号技術」
7.中国の情報覇権に立ち向かう日本とアメリカ
8.あとがき-『1984年』は自身と良心の戦い
この本の冒頭で著者は、未来のAI戦争のイメージを具体的に描写しています。
まだまだ技術的な課題は数多く残っているものの、AIは確実に戦争のあり方や国民の投票行動までも変える可能性を持っている、と著者は指摘しています。
続いて本書では、AIの歴史、基本アルゴリズム、そして中国のグレート・ファイアウォール(=中国政府のインターネット検閲システム)について記しています。
この本の後半では、米中の技術合戦について、とくに中国のビッグデータ覇権に対する米国の反撃について、以下の通りポイントを挙げています。
◆ 中国に半導体技術を渡さない
◆ 中国製ネットワーク機器を使わない
◆ 盗聴に有効な非文化コミュニケーション
◆ 顔認証の脆弱性
◆ デジタル冷戦のカギは「暗号技術」
この本の最後で著者は、中国の情報覇権に立ち向かう日本とアメリカの動きを紹介しています。
アメリカ政府が、英アーム社の半導体を重視し、ソフトバンクグループを警戒している、と著者は指摘しています。
ソフトバンクグループの経営を支えている出資先・アリババの企業価値を下げ、ソフトバンクの資金繰り難からアーム社を手放すことを画策している、ということです。
どこまでが推測で、どこからが真実か、にわかには判断しにくい微妙な見方ですが、ソフトバンクグループがアメリカ携帯電話市場では長く苦戦を強いられてきたことを勘案すれば、あながち的外れな指摘とは言えないかも知れません。
あなたも本書を読んで、米中AI戦争の真実を探ってみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!