「現代では、誰もが『年寄りとして生きることに慣れていない』といえる。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1951年大分県生まれ、早稲田大学第一文学部卒業後、立教大学大学院博士後期課程満期退学、フランス文学、アフリカ文学の翻訳家として活動するかたわら、受験小論文指導の第一人者として活躍する樋口裕一さんが書いた、こちらの書籍です。
樋口裕一『70すぎたら「サメテガル」:「老害」にならない魔法の言葉』(小学館新書)
この本は、20年前に「もっと賢い話し方をしましょう。」と呼びかけた著者が、高齢になったいま、同年代の人々に「ともに気楽に生きましょう、もっと穏やかな老年を生きましょう」と呼びかけている本です。
本書は以下の6部構成からなっています。
1.「冷めてても手軽」な生き方
2.サメテガルから縁遠い年配者
3.白黒はっきりつけたがる「因習」
4.こだわって頑張りたがる「因習」
5.サメテガルな「書き方、話し方」講座
6.サメテガルは多様性尊重につながる
この本の冒頭で著者は、「年配者の一人として思う。もっと楽な生き方があるはずだ。もっと心を休め、幸せな気持ちで年配者として生きていく方法があるはずだ。」と述べています。
本書の前半では、「冷めてても手軽な生き方」について以下のポイントを紹介しています。
◆「サメテガル」はフランス語で、「どっちでもいいよ」のニュアンス
◆ 年を取るほど、白黒つける必要はなくなる
◆「サメテガル」は熱くならない思考
◆「サメテガル」とつぶやくだけで、満ち足りた隠居生活
この本の中盤では、「サメテガルから縁遠い年配者」「白黒はっきりつけたがる因習」および「こだわって頑張りたがる因習」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 詐欺師がつけ込む「年配者の欲望」
◆「昔はよかった」と言って、いまに怒る
◆「善意の価値観」に周囲は困る
◆「マイルール」を次世代に押しつける
◆ 暇すぎるから監視し合う
◆ わずかな不公平さえも許容できない
◆「正義」も「道徳」も息苦しい
◆ 自分を苦しめるこだわり
◆ 70過ぎても「合格」が生きがい
◆「パッシブ・シニア」として過ごしたい
本書の後半では、「サメテガルな書き方、話し方講座」および「サメテガルは多様性尊重につながる」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 丁寧な言葉遣い、簡潔であること、決めつけない
◆ 批判の文章は実名で
◆ 正確に読み取る、難解な表現は使わない、必ず読み返す
◆ 文章は「型」で整理するとわかりやすい
◆ 質問上手は会話上手
◆ 欧米は二項対立の世界
◆「どっちでもいい」は多様性の尊重
◆「私にとって」が大切
◆ 生と死は対立するものなのか
◆ サメテガルの境地に立つ
この本の締めくくりとして著者は、「サメテガルの考え方を許容し、年配者だけでなく若者の中にも、そのように考える人がいることを認める社会であってほしいと願う。」と述べています。
あなたも本書を読んで、第二の人生を豊かに、楽しく過ごすためのキーワード:フランス語の「サメテガル(=冷めてても手軽)」な生き方を実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3715日目】