書評ブログ

『50歳から何を学ぶか 賢く生きる「教養の身につけ方」』

「教養は、すぐには役に立たない “最強の武器” である」――そんな深いメッセージを投げかける一冊があります。

本日紹介するのは、1950年長野県生まれ、慶應義塾大学経済学部を卒業後、1973年にNHK入局、報道記者として松江放送局、呉通信部を経て東京の報道局社会部へ。警視庁、気象庁、文部省、宮内庁などを担当し、1994年から11年間「週刊こどもニュース」の “お父さん” 役として親しまれ、2005年に退職後はフリージャーナリストに転身。現在は名城大学教授、東京科学大学特命教授など5つの大学で教鞭を執り、2016年にはテレビ東京選挙特番チームとともに菊池寛賞を受賞した池上彰(いけがみ・あきら)さんが書いたこちらの新書です。

池上彰『50歳から何を学ぶか 賢く生きる「教養の身につけ方」』(PHPビジネス新書)

この本は、50歳という人生の節目に、これまでの経験や知識を “教養” へと昇華させ、これからを賢く生きるためのヒントを詰め込んだ一冊です。

本書は以下の6部構成から成っています。

1.教養をあきらめない

2.教養格差が社会問題を引き起こす

3.生きるための教養

4.宗教・古典こそ教養の源

5.人生の転機は教養と学びで乗り越える

6.「自分のために学ぶ」ことがなぜ大切なのか

 

この本の冒頭で著者は、「50歳という節目は、誰にとってもこれからの身の振り方を改めて考えざるを得ない時期だ」と語りかけます。子育てや仕事に追われてきた世代が、自分自身の人生を問い直し、これまでの知識を “教養” に変えていく重要性を説いています。

本書の前半では、「教養をあきらめない」および「教養格差が社会問題を引き起こす」について、教養が持つ意味とその社会的インパクトについて解説しています。

◆知識の点在と「知っている」は別

◆学びを続けることで社会的孤立を防ぐ

◆情報格差が新しい分断を生む

◆書店の棚を眺めることから始める

◆知識を教養に変えるには“自分ごと”化が必須

 

この本の中盤では、「生きるための教養」および「宗教・古典こそ教養の源」について、実際にどう教養を身につけるか、その具体的な方法や対象が語られます。主なポイントは次の通り。

◆エピソードから入り、学びを“自分ごと”にする

◆宗教を学ぶことは人間を知ることにつながる

◆古典に触れることで普遍的な視点が養われる

◆哲学がトラブル解決に役立つ

◆教養は生活に直結する “生きる力” となる

 

本書の後半では、「人生の転機は教養と学びで乗り越える」および「『自分のために学ぶ』ことがなぜ大切なのか」について、人生後半における学びの意味を説明しています。主なポイントは以下の通りです。

◆転機を乗り越えるのは教養の力

◆学び直しが新しい人間関係を生む

◆自分のために学ぶことが生きる喜びにつながる

◆何もしないでいると、心身ともに衰える

◆学び続けることが老いを防ぎ、人生を豊かにする

 

この本の締めくくりとして著者は、「年齢を重ねたからこそ、教養に向き合い、自分自身の人生を豊かにしてほしい」と述べています。

50歳から始める学びは、“役に立たないようで最強の武器” となり、人生をより充実させる道を拓いてくれるのです。

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では、今日もハッピーな1日を!【3838日目】