「脳の変化は、前頭葉の萎縮から始まります。」「脳は前頭葉から衰え、前頭葉が衰えると、脳全体が衰えるのです。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1960年大阪府生まれ、東京大学医学部卒、東京大学医学部付属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、現在は精神科医、国際医療福祉大学大学院教授、川崎幸病院精神科顧問、和田秀樹こころと体のクリニック院長で、30年以上にわたり、高齢者医療の現場に携わっている和田秀樹さんが書いた、こちらの書籍です。
和田秀樹『50歳からの「脳のトリセツ」定年後が楽しくなる!老いない習慣』(PHPビジネス新書)
この本は、「老いない脳」をつくりたいなら、前頭葉を鍛えることが何より重要であること、前頭葉を衰えさせた社会が、いかに閉塞感に満ち、数々の危機を招き寄せるかについて語っている書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.「前頭葉」が脳の老化のカギを握っている
2.日本の教育は前頭葉を老化させている
3.「言われた通り」をやっていると、脳も会社もどんどん衰える
4.前頭葉の「感情コントロール力」の鍛え方
5.「前と同じ」「みんなと同じ」は、もうやめよう!
6.「毎日が実験」と思って生きよう
この本の冒頭で著者は、「50歳前後は、1971年~74年生まれの第二次ベビーブーム世代を筆頭に、人口のボリュームゾーンをなしています。この世代の方々の前頭葉が老化するか否かは、日本の将来を左右すると言っても過言ではない」と述べています。
本書の前半では、「前頭葉が脳の老化のカギを握っている」および「日本の教育は前頭葉を老化させている」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 前頭葉が衰えると「保持」が出て前例踏襲思考という老化が始まる
◆ 前頭葉の老化でモチベーションが低下し、発想力や創造性も低下する
◆ 前頭葉は経験したことのないことに挑戦するときに働く
◆ 50歳でマインドセットを変え、前頭葉の老化を防ぐ
◆ 日本では前頭葉を鍛える教育をまったくしていない
◆ 日本の教育の欠陥は小中学校の「詰め込み教育」ではなく、本来アウトプット力を養うべき大学教育にある
◆ 解答のプロセスを問う記述式問題は天才を排除してしまう
◆ アメリカでは積極性や好奇心、議論に参加する姿勢を重視する教育
この本の中盤では、「言われた通りをやっていると、脳も会社もどんどん衰える」および「前頭葉の感情コントロール力の鍛え方」について考察しています。主なポイントは次の通り。
◆「新しいことをする」とは、トレンドに従うことではない
◆ 思い込みが新しいことへの挑戦を妨げている
◆ これからの世の中は「先に実行した者勝ち」になる
◆ 組織から離れた自分を意識して、50歳から挑戦しよう!
◆「自分は失敗しうる」という当たり前の選定に立つ
◆ 日本人がコントロールすべきは「怒り」より「不安」
◆ 不安があるからソリューションを考えることができる
◆ 不安にとらわれない老人を目指す
本書の後半では、「前と同じ、みんなと同じは、もうやめよう!」および「毎日が実験と思って生きよう」について解説しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 人は成長するもの、世の中は変わるもの
◆ 日本には同調圧力があり、「思想の自由」がない
◆「絶対」とされていることに反論する
◆ 認知の偏りや歪みわ洗い出し「ほんとうにそうだろうか」と一緒に考えながら硬直した思考パターンを修正していく「認知療法」
◆「毎日が実験」だと思って生きる
◆ 実験の結果は検証して、同じ失敗を繰り返さない
◆ 優れた経営者・指導者は「理系的思考」をしている
◆ 打席に立ち続けなけらば、成功はやってこない
◆ 学べば実験はいつまでも続く
この本の締めくくりとして著者は、「仕事であれプライベートであれ、勉強をしている限り、次なる実験のテーマは必ず降ってきます。」と述べています。
あなたも本書を読んで、「みんなと同じ」は老化の兆しであることを学び、定年後が楽しくなる老いない習慣を身につけてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2978日目】