「自分の人生、これでよかったんだろうか?」そう思うと、さまざまな思いが込み上げてくる。「もっと違う人生もあっただろうに」などと、思い通りにならなかった人生を後悔したり、無念の気持が込み上げてきたりする。人生も半ばを過ぎる頃になると、だれもがこうした思いを経験するようになる、と述べている本があります。
本日紹介するのは、1955年生まれ、東京大学教育心理学科卒業、東芝の市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退、カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授を経て、現在はMP人間科学研究所代表で、心理学博士の榎本博明さんが書いた、こちらの書籍です。
榎本博明『50歳からのむなしさの心理学』(朝日新書)
この本は、自分の人生をどうしたら意味あるものにしていけるのか、生きる意味というのはいったいどこにあるのか、どうしたら生きる意味を感じることができるようになるのか、それを探求するために書かれた書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.50歳前後のむなしさの正体
2.心の危機は軌道修正のチャンス
3.むなしさと向き合う言葉
4.もがくことこそ、自己実現への道
5.とりあえず「何」をするか
この本の冒頭で著者は、人生を四季になぞらえるというのは、直観的にもわかりやすい、と述べています。思秋期という言葉もあるように、40代後半から50代は人生の秋といった感じがある、と言います。
ふと振り返ると、「あっという間に人生の夏を駆け抜けてしまった」という思い、やり残したことがあるのではないかといった思いに駆られることがある、と著者は説明しています。
そうした思いを表す、以下のような先人の書籍を紹介しています。
50歳前後の「むなしさ」を表す思いとして、本書では次のような例を挙げています。
◆ 残された時間を意識するときの寂しさと焦り
◆「こんなはずじゃなかった」という裏切られたような思い
◆「このまま必要とされない人間になっていくのか」という焦り
◆ 日々の生活に「意味」を感じたい
続いて、人生の折り返し点にある人の心について、さまざまな参考になる書籍の言葉を引用・紹介しています。
次に、「むなしさ」と向き合う言葉として、自己実現欲求を満たすことの難しさを、先人の書籍から考察しています。
また、「使命感」を持つことの大切さを、神谷恵美子の著書などを紹介しながら、著者は解説しています。
本書の最後で著者は、とりあえず「何をするか」と問いかけています。
そして、チクセント・ミハイの説く、没頭すると得られる「フロー体験」に言及しています。
あなたも本書を読んで、むなしさをきっかけに前向きに思い悩み、納得のいく人生に向けて一歩を踏み出してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!