書評ブログ

『50代からの人生をマネジメントするドラッカーの問い』

「自分の人生は自分でマネジメントする。」――そんなメッセージを静かに、しかし力強く伝える一冊があります。

本日紹介するのは、1960年東京都生まれ、中央大学卒業後、中堅建設資材メーカーに入社し、営業職として35年間勤務、常務取締役を経て建設資材商社の社長を4年間務めた後、61歳で独立、現在はドラッカー学会会員、経営コンサルタント、ドラッカーマネジメントナビゲーターとして活躍し、現場で実践してきた経験をベースに、組織も個人も成果を上げるためのマネジメントを伝える活動を展開中の鵫巣和徳(とうのす・かずのり)さんが書いたこちらの書籍です。

鵫巣和徳『50代からの人生をマネジメントするドラッカーの問い』(ソシム)


この本は、定年後を見据えた50代に向けて、「マネジメントの父」ピーター・ドラッカーの “問い” を活用しながら、人生後半を主体的にデザインするためのヒントを示す一冊です。「あと数年で定年」と考えながらも、将来の準備をしていない人が多い現実を踏まえ、著者は “ドラッカーの問い” によって、誰もが自分自身の進むべき道を見出せるよう導いていきます。


本書は以下の5部構成から成っています。

1.Prologue なぜ、人生後半のマネジメントにドラッカーの問いが役に立つのか

2.Step1 自分の強みを見つける

3.Step2 なりたい自分をイメージする

4.Step3 人生後半をどう生きるか

5.Epilogue 自分の人生は自分がマネジメントする


本書の前半では、「なぜ、人生後半のマネジメントにドラッカーの問いが役に立つのか」について解説しています。主なポイントは以下の通りです。

◆ 人生後半を充実させる鍵は「問い」を立てる力にある

◆ 「自分は何をもって貢献できるか」というドラッカーの原点に立ち返る

◆ 50代は「これまで」と「これから」をつなぐ転換点

◆ 定年後に備えるのではなく、“今この瞬間”から準備を始める

◆ ドラッカーの思想は“経営の理論”ではなく“生き方の哲学”である


この本の中盤では、「自分の強みを見つる」および「なりたい自分をイメージする」ための実践的なステップが紹介されます。主なポイントは次の通りです。

◆ 自分の強みは「他者の目」から見えてくる

◆ 成果を出してきた“再現性のある行動”を分析する

◆ 「なりたい自分」を明確に描くことで、行動が変わる

◆ 成功よりも“充実”を軸にしたキャリア設計が重要

◆ 「強み×価値観×貢献」が、人生後半の羅針盤になる


本書の後半では、「人生後半をどう生きるか」および「自分の人生は自分がマネジメントする」というテーマのもと、自分の人生を主体的にマネジメントする行動と考え方が示されています。主なポイントは以下の通りです。

◆ 60代以降を “第二の成長期” として捉える

◆ 所属や肩書ではなく、“自分ブランド”で生きる

◆ 起業や独立は目的ではなく、手段のひとつにすぎない

◆ 「誰に」「どんな価値を提供するか」を常に問い直す

◆ “自分の人生は自分がマネジメントする”という覚悟が幸福を生む


本書の魅力は、ドラッカーの思想を難解な理論としてではなく、「人生100年時代を生きるための実践的な哲学」として再構成している点にあります。
50代以降のキャリアや生き方に迷う人にとって、ドラッカーの問いは「次の一歩」を見つける最良のツールとなるでしょう。

仕事と人生を区切らず、「後半生もマネジメントする」ことの大切さを教えてくれる、まさに “人生のリーダーシップを取り戻す一冊” です。


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では、今日もハッピーな1日を!【3890日目】