書評ブログ

50代定年前起業をする方必読の『稼ぐコンサルタントの起業術』

「独立1年目から仕事が途切れない稼ぐコンサルタント」になる「起業術」を書いた本があります。「定年前起業」を考える人に必読の、こちらの書を今日は紹介します。

 

富田英太『独立1年目から仕事が途切れない稼ぐコンサルタントの起業術』(日本実業出版社)

 

この本は、次のような人のために書かれています。

 

 

◆ 会社から独立して自由な働き方をしたい
◆ まずは副業でいいから、週末だけでも自分の力で稼ぎたい
◆ 自分の経験や特技を活用して、人のためになる仕事がしたい
◆ 仕事を通じて、他人の夢をかなえるお手伝いがしたい
◆ 起業には興味あるが、失敗したくない

 

 

私の場合は、上の5つすべてにあてはまるため、本書を一気に読みました。著者の富田英太さんは、フリーターになりかけた26歳で、何の資格もスキルも経験もない状態で、経営コンサルタントとして起業しました。

 

その時の数々の失敗や工夫した経験から、「最初から成功するためのコンサルタント起業術」として、そのノウハウを明らかにしたのが本書です。

 

まず本書の冒頭で著者は、コンサルタント起業にある「5つの勘違い」として次の5点を挙げています。

 

 

1.元手なしで起業できる
2.仕入れがいらない
3.資格を取れば仕事が入る
4.実力さえあれば仕事が入る
5.自分の時間を自由に使うことができる

 

 

多くの方が、以上のような「5つの勘違い」をしているのではないでしょうか。著者の富田さんは、これらが完全な「勘違い」で、コンサルタントとして起業するという道は生半可な道ではない、と説いています。

 

本書は以下の7部から構成されています。

 

 

1.コンサルタントとはどんな仕事か?
2.コンサルタントになる前に必ず準備すべきこと
3.コンサルタントは「5つのルート」で稼ぎなさい
4.「形のないノウハウ」を売るコンサルタントの営業力
5.クライアントを獲得する10の手法(オンライン編)
6.クライアントを獲得する10の手法(オフライン編)
7.「ニーズ×強み×ツール」でコンサルティングを行う

 

 

コンサルタントは何を売っているのか、という問いに対して著者は、「形のないもの(=ノウハウ)」が殆どだと述べています。

 

コンサルタントはよく医者にたとえられますが、クライアントの会社と一緒に経営問題解決にあたりますが、相手が抱えている問題に対する解決手段を一緒に計画立案し、自身が持つ専門知識や経験を徹底的に伝えて、相手がそれを実現するまでのプロセスを売るのがコンサルタント、ということです。

 

そして、コンサルタントが提供する価値は、以下の2つに集約される、と富田さんは言います。

 

1.時間の短縮
2.お金の節約

 

クライアントが問題解決を外部の人間に頼むのは、以下のプロセスを短縮して、お金の節約をするためです。

 

1.問題発見
2.解決策立案
3.計画と実行

 

コンサルタントという「冷静な他人」なら、クライアントの現状をありのまま分析し、問題を早期に発見することもできる、ということです。時間が短縮できれば当然、費用も節約できます。その分がコンサルタントへの報酬支払の原資になります。

 

それから、「5つの勘違い」のところで挙げられた「仕入れ」について、コンサルタントの仕入れは「情報」です。これは、仕入れる「量」が大事で、著者は①本を読む、②セミナーに参加する、③勉強会を月1回主催する、という「情報」を仕入れる活動を継続してきました。

 

大切なことは、小さな分野でもいいので、1位を狙えるように「コンサルティング分野」を決めるということです。クライアントは専門性のある、特徴あるコンサルタントに依頼したい、と思うからです。

 

コンサルタントとしての実績と経験を積んだら、徐々にコンサルティングの分野を広げていけばよい、と述べています。

 

次に本書の核心となる部分ですが、著者はコンサルティングの基本となる「7つのステップ」を以下のように挙げています。

 

 

1.目的を決める
2.目標を決める
3.現状を分析する
4.目標と現状の間のギャップを見つける(=問題の発見)
5.経営上の問題に優先順位をつける
6.改善策を実施、検証する
7.継続して数字を管理する

 

 

そして、コンサルテキングとは「人生を切り開く力」だ、というのが富田さんの結論です。

 

この後本書では、コンサルタントになる前の準備、稼ぎ方、営業の仕方、留意点などが述べられています。詳しくは実践的なコンサルティングや顧客獲得のノウハウをぜひ、本書から学んでいただきたいと思います。

 

続いて、私が印象に残り、起業の参考にしている、コンサルタントが稼ぐ「5つのルート」を以下に挙げておきます。

 

 

1.コンサルティング契約(顧問契約とスポット契約)
2.セミナー講師(主催と外部講演)
3.会員組織の会費
4.マージン(紹介手数料と企画手数料)
5.執筆収入

 

 

これはとても大切な事業スキームだと感じています。また、理想的な契約にたどりつくポイントとして、以下の3つを挙げているのも勉強になりました。

 

 

1.マーケティング(見込み客を目の前に連れて来る)
2.ブランディング(あなたの信頼性を表現する)
3.セールス(自分の言葉で商品を説明し受注する)

 

 

さらに、クライアントを獲得する10の手法はよく整理されていて、とても参考になります。

 

 

1.ブログ
2.SNS(フェイスブック、ツイッター)
3.ホームページ
4.メールマガジン
5.セミナー
6.無料相談
7.書籍・業界紙の執筆
8.プレスリリース
9.DM(ストーカーDM)
10.紹介

 

 

最後に、「コンサルティングを構成している3つの要素」について、紹介します。著者はここまで自分のビジネスの本質を公開してよいのだろうかと正直、驚きました。

 

私にとってはとても学びの大きかった記述です。「3つの要素」を以下に紹介します。

 

 

1.ニーズ
2.強み
3.ツール

 

 

これだけでは分かりにくいでしょうが、クライアントのニーズ、すなわち、悩みや問題がどこにあるかを探り、そこに「自分の強み×オリジナルのツール」で解決を図っていく、ということです。

 

 

さらに、口コミが起きやすいコンセプトのつくり方として、以下の「コンセプトの3大ポイント」を提唱しています。

 

 

1.人(経営者のプロフィール); 過去の失敗や成功
2.商品・サービス; 商品・サービスの素晴らしいところ(独自性)
3.ストーリー; 経営に至る目的、人生の背景、その理由(経営理念・ミッション)

 

 

口コミは、自分以外の他人が他人に伝える行為なので、分かりやすくて特徴があるコンセプトを、「短いフレーズ」で伝えられるものでなくてはなりません。ストーリーは人の感情に訴え、記憶に残ります。

 

皆さんも「定年前起業」に際してはぜひ、本書の「ノウハウ」を学ぶことを強くお薦めします。

 

では、今日もハッピーな1日を!