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リチャード・コッチ『新版 人生を変える80対20の法則』(阪急コミュニケーションズ)

リチャード・コッチ氏は、起業家で、レストラン、ホテル、コンサルティングを立ち上げ、いずれも成功へと導いた。著名なコンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニーやボストン・コンサルティング・グループにて数多くの優良企業のアドバイザーを務める。

 

本書で採り上げている「80対20の法則」というのは、1897年にイタリアの経済学者パレートが、富の分布の不均衡を発見したことで世界に広まった理論だ。

 

著者は、この法則は人生のあらゆる場面で応用できると説き、とくにビジネスへの応用を本書で解説した。いかにして無駄な努力をせず、最小限の努力で最大の効果を上げるかを、以下のように例を挙げて説明する。

 

1.仕事の成果の80%は費やした時間の20%から生まれる
2.利益の80%は20%の顧客がもたらす
3.犯罪の80%は20%の犯罪者によってなされる
4.交通事故の80%は20%のドライバーが起こす
5.教育上の資格の80%は20%の人達が占めている

 

以上のように、世の中のあらゆる場面で「80対20の法則」は驚くほど適用することができ、労力と成果に不均衡が発生することを理解することで、格段に成果が上がるようになるという。

 

ビジネスではよく、選択と集中の重要性が言われるが、マーケティングや営業・販売に限らず、生産管理においても、この法則は有効だ。

 

現代人はビジネスマンも主婦も忙しく、何から手を付けたらいいか分からなくなる人が後を絶たない。重要な20%のことに集中してエネルギーを投入することで、目標の80%は達成され、劇的に人生が変わることだろう。

 

忙しく毎日を過ごす全ての人たちに、本書の一読を心から薦めたい。