「50代からの独立・転職は、あなたが思っているより上手くいく」と提唱している本があります。ケーススタディをもとに、独立・起業・転職の成功要因を徹底分析して、「成功に導く7つのヒント」を明らかにしています。
日本経済の構造変化によりシニアに大きなチャンスが広がっています。そこで今日紹介するのはこちらの本です。
大澤信一『50代からの独立・転職は、あなたが思っているより上手くいく』(東洋経済新報社)
この本は、以下の10部構成になっています。
1.シニアの独立・転職が上手くいく時代が始まった
2.「市場と経済の成熟化」を読み切って成功させたチーズ工房
3.大手企業で培った技術力を中堅・中小企業へ
4.元同僚とのコラボで「日本を海外に売り込む」ビジネスへ
5.ロボットエンジニアから「人に喜ばれる仕事」へ
6.一部上場メーカーの研究所長から「ヒーリング・ビジネス」への転身
7.「自分好き」を追って「地方再生の伝道師」へ
8.大手シンクタンクを退職して見つけた「自分の仕事」
9.「50代からの独立・転職」を成功に導く七つのヒント
10.日本はシニア起業で再成長する
上記の2~8番目までがシニア起業の具体的事例です。起業した経緯や苦労した点、どのような工夫とビジネスモデルを構築して軌道に乗せたかについて、6名のシニア起業家の体験が分かりやすく紹介されています。
この本の中心になる「結論」部分は上記9番目の「50代からの独立・転職を成功に導く七つのヒント」です。具体的事例に共通する要素を著者が抽出して総括して、以下の7点にまとめています。
1.「時代の変化」に気づく
2.「自分の興味・関心」をあきらめない
3.「自分を売り出す」マーケッターになる
4.自分の仕事について、インプット・アウトプットのバランスをとる
5.「運を引き寄せる」工夫をする
6.それでも「楽しく学び続ける」
7.「自分の人生の主人公」になってイキイキと生きる
これらの「成功に導くヒント」はすべて私も共感する要素ですが、とくに第1の「時代の変化」については、まったくその通りだと思います。著者は、成熟化社会のマーケットは「高付加価値化した小さいニッチ市場の集合体」だとしています。
今やそうした「高付加価値化した小さいニッチ市場」が市場をリードする社会になっていて、知識と経験が豊かで小回りの利くシニアのビジネスが上手くいく時代になっています。
情報化やグローバル化は、世界中で全ての商品・サービスについて「汎用化」(=コモディティ化)を進めています。たとえどんなに技術的に先行する商品を市場に売り出したとしても、それはあっという間に競争相手にキャッチアップされ、市場は同種の商品で溢れてしまいます。
インターネットで世界中のパソコンがつながり、デジタル化で技術が瞬時にコピーされ、低価格化が起こってしまうからとされています。そうした中で、個人や小企業による「高付加価値化したニッチ市場」が注目され、知識や経験が豊富なシニアの優位性が生まれています。
50代の独立起業や転職が成功する時代が到来した現在、上記7番目にある「自分の人生の主人公」になってイキイキと生きる、という生き方が注目されています。
これは私が推奨している「自分が主役の人生」と同じコンセプトです。皆さんも成功の確率が高まった「定年前起業」という選択を真剣に考えてみませんか。
では、今日もハッピーな1日を!