君塚正道氏は、元競歩の選手で、20歳の時に膝を痛めた経験から指導者となり、現在はウォーキング・インストラクターだ。日常歩行に注目し、上半身・下半身・体幹のバランスを重視する歩行理論を確立した。
本書は、NHKテレビで放送されたウォーキング&エクササイズの講座テキストだ。ウォーキングの基本から姿勢やバランスなど、写真をふんだんに使用してわかりやすい。
本書の内容は、「当たり前ではないか」と思う人もいるかも知れないが、歩行というのは毎日、無意識に行っている行動だけに、意外と気付かない盲点が多い。意識して正しい歩き方をすれば体調の改善に効果的だ。
本書の後半は、ウォーキングの応用編として、体型を整える運動や、家でできるエクササイズが写真入りで丁寧に解説されている。すぐに採り入れて実行できるエクササイズが満載で実用的だ。
さらに階段の上り方と下り方について、詳しく写真入りで説明がある。著者の言う通りにやれば確かに怪我などは大きく減少するだろう。理にかなった解説だと感じた。
最後に、ウォーキングの便利グッズが紹介されている。NHKテキストなので、メーカー名や金額などは目立たない表示で、カタログのような分かりやすさにはやや欠けるが、機能や有用性の説明は興味深い。
とくに歩数計とシューズの紹介は参考になった。早速、ニューバランスのシューズを百貨店のセールで購入、なかなか優れものだ。また、オムロンの歩数計もよさそうなので、Amazon で注文したところだ。
急激なペースで高齢社会に突入した我が国で、健康増進が今後の主要テーマになることは間違いない。すべての中高年の方々に読んでほしい一冊だ。